第八十三話 合宿前日その七
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「今の日本のです」
「学校の先生の世界ですね」
「はい」
まさにというのだ。
「ですから私にもです」
「お話やお仕事が」
「来ます」
「それも多いんですね」
「先程申し上げた通り」
「昔はヤクザ屋さんの世界が最悪だと思ってました」
咲は自分が考えていたことをそのまま素直に述べた。
「そうだったんですが」
「アウトローの世界でもやりたい放題はしにくいものです」
「そちらはそちらのルールがあるんですね」
「左様です、弱い立場の人に好き放題暴力を振るうなら」
「誰もついてこないですか」
「ああした世界では何時何があるかわからないので」
そうした社会だからだとだ、速水は咲に話した。
「人望がないとです」
「駄目ですか」
「それは死に直結します」
「アウトローの世界はそうなんですね」
「法律が通用しない世界だけあって」
それ故にというのだ。
「それではです」
「生きていけないですか」
「そうした社会です」
「そうなんですね」
「誰が機嫌次第で自分より下と見た人に好き放題暴力を振るう人についていくか」
「いる筈がないですね」
咲もはっきりと言えた。
「本当に」
「そうです、ですから」
「そうした人はアウトローでも生きていけないですか」
「こうした先生はよく自衛隊を否定しますが」
「自衛隊でも無理ですね」
「すぐに警務隊に連絡すればです」
自衛隊の中の警察である、他国の軍事組織で憲兵と呼ばれる。
「即座に終わりです」
「自衛隊でも暴力には厳しいんですね」
「体罰は厳禁です」
実際に警務隊に通報すれば終わりである。
「そうした意味で自衛隊も他の社会と同じです」
「暴力は犯罪ですね」
「紛れもなく」
「そうなんですね」
「そして警察でもです」
「同じですね」
「ああした先生は警察も嫌いですが」
国家権力自体を嫌悪していることが多い、こうした点は極左の運動家と同じであろうか。赤軍派や中核派や革マル派があるがその違いはというと些細なものであろうか。
「しかしです」
「警察でもですね」
「暴力は否定されています」
「暴力振るってお咎めなしは学校の先生だけですか」
「極めて少ないことは事実です」
「やっぱりそうですね」
「そして暴力が肯定されるなら」
そうした社会はというと。
「暴力を平然とそれも容赦も躊躇もなく震える人が偉くなります」
「ただいられるだけじゃなくて」
「教頭先生そしてです」
速水は一呼吸置いてから述べた。
「校長先生にもです」
「なれるんですか」
「教育委員会でも発言力を持ちます」
そうなるというのだ。
「そうなります」
「とんでもないですね」
「生徒に徹底した虐待を何度も加え」
そうした暴力を振るいとい
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