第75話:アースラ出撃
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力をわずかに上げ
アースラはゆっくりと前進する。
そのまま、船体が完全にドックを離れるまで進むと、アースラは徐々に
スピードを上げていく。
本局の港湾区画を出ると、ミッドへの転送準備に入った。
転送準備が整ったとの報告を受けるとはやては、艦橋をぐるりと見回した。
「よっしゃ、アースラ転送開始!」
はやての命令を受けて、担当のオペレータが転送を開始すると
真っ暗だった外の景色は真っ白に輝いていく。
やがて、その輝きが収まってくるとそこには見慣れたミッドチルダの
青い空が見えた。
「転送完了です。船体・周囲ともに問題ありません」
オペレータの報告にはやてはふぅっと大きく息をつく。
そして、6課の隊舎があった区域に向かうように指示を出すと、
席を立って艦橋を出て行った。
「ゲオルグさん。ここは僕が見てますからゲオルグさんも副長室に戻られては
いかがですか?ずっと立ちっぱなしですよね・・・」
グリフィスが下から俺を見上げてそう言った。
「いや・・・」
そうはいかない、と続けようとして俺は言い淀む。
確かに立ち続けで身体のあちこちに鋭い痛みを感じていた。
俺はグリフィスの言葉に甘えることにして艦橋を出ると、副長室に戻った。
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