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ドリトル先生とタキタロウ
第七幕その二

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「それは身内にも及んでね」
「源氏のね」
「義経さんもそうで」
「木曽義仲さんもだったね」
「もう身内でも容赦しなくて」
「家臣の人達でもだったね」
「日本の歴史上屈指の冷酷さを持っていた人じゃないかな」
 先生はこうまで言いました。
「日本の歴史では特に人気がない人だね」
「うん、そうだね」
「頼朝さん好きな人っていないよね」
「常に不人気だよね」
「それもかなり」
「井伊直弼さんと並ぶかもね」 
 幕末のこの人と、というのです。
「それはどうしてかというとね」
「そうした人だったからだね」
「冷酷で何かあると見た人は容赦なく皆殺しにする」
「身内でもそうする」
「そうした人だったから」
「奥州藤原氏も滅ぼしたんだ」
 この平泉にいた人達をというのです。
「そうしたんだ」
「義経さんを滅ぼさせて」
「今度はそうしたんだね」
「世界の歴史ではよくあるお話かも知れないけれど」
「決して気持ちのいいことじゃないね」
「しかも頼朝さんはそうしたお話ばかりだからね」 
 自分に何かある相手は容赦なく粛清していくというのです。
「もう根絶やしにしていったからね」
「平家だってそうだったね」
「家臣の人でもそうしたし」
「本当に冷酷でね」
「いい印象を持てない人だね」
「だから評判が悪いんだ」
 日本においてというのです。
「本当に日本の歴史では屈指のだよ」
「不人気の人だね」
「物凄く評判の悪い」
「悪役と言ってもいいね」
「武家の政権をはじめた人だけれど」
 そうした歴史的に非常に重要な人でもというのです。
「これがだよ」
「そうしたことばかりしたから」
「それでだね」
「評判悪いのね」
「凄く」
「そうだよ、僕も頼朝さんはね」
 先生ご自身もというのです。
「どうもね」
「好きじゃないよね」
「そんなことばかりしてるし」
「暗いイメージ凄いし」
「それでだね」
「やっぱり日本の歴史上屈指の不人気人物だけあるよ」
 このことは否定出来ないというのです。
「いい印象を持てないよ」
「そうだよね」
「僕達だって好きじゃないしね」
「色々な人によくない逸話があるけれど」
「頼朝さんは別格だからね」
「長い間お墓もなかったそうだしね」 
 そうでもあったというのです。
「そのこともあるし」
「それも凄いね」
「日本にずっと続いた武家政権をはじめた人なのに」
「ここまで評判悪くて」
「しかもお墓がないって」
「全くだね」
 藤原氏を滅ぼした頼朝さんのお話をしてです。
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