雪辱編 ウルトラアキレスファイト
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いでも、接近戦の技が未熟だった当時のカイナは、一体化を通じて弓弦の格闘術を会得したことによって飛躍的なパワーアップを遂げていた。
そして今度は、アキレスが依代としている嵐真が弓弦から格闘術を学んだことにより、ツルク星人にも負けない身のこなしを体得している。不思議な縁で繋がったものだと、弓弦はふっと笑っていた。
『デュッ……!』
だが、殺意を研ぎ澄ませたツルク星人の一閃が、アキレスの肩部を守っていたプロテクターを斬り飛ばしてしまう。
劇的なパワーアップを遂げたとは言え、付け焼き刃の特訓だったことに変わりはない。身に付けた技に肉体が追い付いていない今のアキレスでは、カイナほどには弓弦の技を引き出せてはいないのだ。
「伏せろアキレスッ! 神虎炸裂誘導弾、全門発射ァッ!」
――しかし、彼は独りで戦っているわけではない。カイナと弓弦の時がそうだったように、アキレスと嵐真にはBURKの仲間達が付いている。
それを証明するように、弘原海が率いる現役爆撃機「BURK風龍」の編隊が東京湾の上空に飛来していた。中国支部製の爆撃機で編成された航空機の群れが、空を切ってこの東京湾に馳せ参じている。
そして、翼下のハードポイントに搭載されている高性能スペシウム弾頭「神虎炸裂誘導弾」が、ツルク星人の頭上に降り注いで行く。その爆撃を咄嗟に防御しようとしたツルク星人は、アイデンティティでもある両腕を爆炎で吹き飛ばされてしまうのだった。
『デュアアァーッ!』
そうなれば、もはやツルク星人に勝ち目などない。爆炎を掻き分けて眼前に飛び込んだアキレスは、頭部のアキレスラッガーを引き抜き――これまでの返礼だと言わんばかりに、斬撃の嵐を見舞う。弓弦との特訓で会得した格闘術の動きが、その刃の軌道に顕れていた。
細切れになるまで徹底的に切り刻まれたツルク星人の身体は無数の肉片に変わり果て、そのまま東京湾の海中へと水葬されて行くのだった。
「ツルク星人、完全に沈黙! アキレスの、俺達の勝利ですッ!」
「よっ……しゃああッ!」
アキレスの完勝を見届けたBURK風龍の編隊は、賛辞を送るように何度か彼の頭上を旋回した後、基地に帰投するべく青空の彼方へと飛び去って行く。
『……デュワッ!』
そして、人々の歓声をその巨体で浴びていたアキレスも。橋の上から自分を見守っていた弓弦と頷き合った後、両手を広げて天の向こうへと飛び去って行くのだった。
「……見てるかな、カイナ。君のおかげで、オレも彼らも……前に進むことが出来たみたいだよ。ありがとうな……」
そんな真紅の巨人の背を見届けた弓弦は独り、橋の手すりに背を預けると。「後輩」の成長に頬を緩め、優
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