雪辱編 ウルトラアキレスファイト
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、尻餅をついたまま動けない彼女に「とどめ」を刺そうとしている。
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「死刑」を執行する刃を罪人に見せ付け、恐怖を煽る「見せ槍」。ツルク星人の腕部を形成しているその切っ先が、尻餅をついている琴乃の白い柔肌に向けられていた。
この刃が、これから貴様を貫くのだと言わんばかりに。
(嵐真、お前だけでもッ……!)
もう自分は助からない。それを理解した上で琴乃は、恐怖に囚われながらも嵐真の命だけは助けねばと考えていた。しかし当の嵐真は敵わないと知りながらも、この場でアキレスアイを引き抜いて変身しようとしている。
このままではどちらも助からない。万事休すか。その結末を予想してしまった琴乃が、きゅっと瞼を閉じた――次の瞬間。
「たあぁあッ!」
「えっ……!?」
琴乃の柔肌を隠すように、何者かのコートがふわりと彼女の身体に被される。その温もりに思わず彼女が顔を上げた瞬間――突然現れた1人の少年が、ツルク星人の顔面に痛烈な飛び回し蹴りを放っていた。
予期せぬ奇襲に一瞬怯んだツルク星人は、乱入して来た謎の少年から始末しようと刃を振るう。だが少年は、ツルク星人が刃を振り抜く前に懐に飛び込み、渾身のボディブローを突き入れていた。
「す、凄い……! でも誰なんだ一体、ツルク星人をあんなに圧倒するなんて……!?」
その間に琴乃の側に駆け付けていた嵐真は、ツルク星人を相手に丸腰で圧倒している謎の少年の異様な強さに、生唾を飲んでいた。ブレザー姿であるところを見るに都内の高校生のようだが、どう見ても只者の動きではない。
「……そうか、来てくれたか……!」
一方。被せられたコートを握り締めている琴乃は、落ち着きを取り戻したように呟いている。彼女は、少年が何者であるかを知っているのだ。
あまりの手強さに分が悪いと判断したのか、ツルク星人は少年に背を向けて逃げ出して行く。その超人的な足の速さで、彼は瞬く間にこの夜道から姿を消してしまうのだった。
「……ふぅっ。危ないところでしたね、琴乃さん。それと……暁嵐真さん」
「あ、ありがとう、助かったよ……。でも、君は一体……!?」
「……流石、としか言いようがないな。丸腰であのツルク星人を撃退してしまうとは」
「えっ……琴乃さん、彼のこと知ってるんですか!?」
深追いは出来ないと判断したのか、ツルク星人の背を見送った少年は黒髪を靡かせ、嵐真達の方へと向き直る。嵐真が困惑している一方で、琴乃は懐かしい「旧友」との再会を果たしたかのように、微かに頬を緩めていた。
「オレは風祭弓弦。あなたのことは琴乃さんから聞いていますよ、暁嵐真さん。それとも……ウルトラアキレスとお呼びした方がよろしいでしょうか」
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