第六十話 合宿を前にしてその十三
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「行って来たらいいのよ」
「そうなのね」
「前にも行ったけれど」
「また行ってもいいのね」
「そうよ、部活で汗をかいて」
「お酒も飲んで」
「そうしたことを勉強することもね」
歴史そして英霊達のことをというのだ。
「素晴らしいことだから」
「江田島に行って来るべきね」
「今年もね、あとね」
「あと?」
「海で泳ぐわね」
「水着も持って行く様にね」
「言われてるわね」
娘にこのことを確認した。
「そうよね」
「だからね」
それでというのだ。
「泳ぐけれど」
「何かあるの」
「そう、泳いでも」
それでもというのだ。
「海は結構危ないから」
「ああ、鮫とかね」
「他にもあるでしょ」
「海月もね」
「そうしたものには注意してね」
「そうよね」
一華もそれにはと応えた。
「海の家でも言われてるし」
「そうしたところも注意してね」
「わかったわ」
「そのうえで楽しんできてね」
「そうしてくるわね」
「きっと楽しめて」
そうしてというのだ。
「色々と大切なことをね」
「勉強出来るのね」
「勉強じゃないわね」
この場合はとだ、母は一華に考える顔になって答えた。
「学問よ」
「勉強と学問は違ったわね」
「学校のお勉強もあってね」
それでというのだ。
「商売のことで勉強とも言うわね」
「人生の勉強ね」
「よくまける時に言うけれど」
商品の勘定をである。
「これは商売を知るってことでね」
「まけることから」
「そう、それでね」
そのうえでというのだ。
「学問はね」
「また違うのよね」
「そう、この場合は教養を深めて」
そうしてというのだ。
「人としての大切なことも知るから」
「学問なのね」
「そうなると思うわ」
「そっちね」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「あんたは合宿ではね」
「学問をなのね」
「してね」
「ええ、そうするわね」
こう言ってだった。
一華は合宿について多くのものを知っていった、そうしてだった。
その用意をさらに進めていった、そのうえで合宿に行く日にその朝母から朝ご飯の時に今度はこう言われた。
「まずは無事によ」
「帰って来ることね」
「そのことを第一に考えてね」
そうしてというのだ。
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