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第六十話 合宿を前にしてその十二

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「日本と私達の為に戦ってくれたことを」
「感謝して」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「手を合わせればいいのよ」
「そうすればいいのね」
「ありのままね、むしろ言い掛かりをつけて」
 そうしてというのだ。
「参拝するなとか騒ぐ方がね」
「おかしいわね」
「ほら、天神様だけれど」
 母は今度は太宰府の学問の神の名前を出した。
「あの神様誰か知ってるわね」
「菅原道真さんね」
 一華は即座に答えた。
「大宰府に流された」
「それで怨霊になったっていうでしょ」
「御所に雷落としたのよね」
「それで祟りを恐れられてね」
「祀られたのよね」
「怨霊を祀ったのがね」
 菅原道真のそれをというのだ。
「天神様で」
「怨霊が神様になったのね」
「それなら逆もあるのよ」
「というと」
「そう、靖国の英霊の人達もね」
 彼等もというのだ。
「貶めたりするとね」
「怨霊になるのね」
「だからあの神社に言い掛かりつけて」
 某新聞社がはじめたと言われている、自分達の立場が危うくなったので自分達が敵とみなす相手の新たな攻撃材料を探してだという。
「貶めるとね」
「祟られるかも知れないのね」
「そうなってもね」
 祟られてもというのだ。
「もうね」
「自業自得?」
「そもそも日本と私達の為に戦ってくれたのに」
 そうなったがというのだ。
「そうしたことしたらよ」
「祟られても当然ね」
「そんな下劣な行いをしたら」
「そうなってもなの」
「当然よ、今そうしたことした人達批判されてるけれど」
 特にインターネット上でだ。
「それもね」
「当然のことね」
「そのうちもっとね」
 一華にさらに話した。
「酷い報いをよ」
「受けるのね」
「絶対によ」
 それこそというのだ。
「そうなるわ」
「自業自得ね、そうなっても」
「因果応報とも言うわね」
「悪いことをしたら」
「そう、報いをよ」
 これをというのだ。
「絶対によ」
「受けるのね」
「それが世の中でしょ」
「それはね」
「だからよ」
 それでというのだ。
「そうした人達は報いを受けるわ」
「日本と私達の為に戦ってくれた人達を貶めたことについて」
「絶対にね、もう受けてるけれど」
「これからもなのね」
「それで靖国にいる人達のこともよ」
「江田島に行けばわかるわね」
「だからね」
 それ故にというのだ。
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