暁 〜小説投稿サイト〜
霧の向こうのハーレム
ハーレム建設
遭遇

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 島は案外近かった。浜にボートを上げ、上陸完了。
 目の前に広がるのは森のみ。人の気配はない。
 俺は興味本位で森に入った。ボートはもういい、どうせもう使わないだろうし。カネもスマホも全部家においてきた、もうどうにでもなれ。

 入り口付近は比較的歩きやすかったが、奥に進むと木の葉に足が沈む。落ち葉はほとんどがクヌギや栗の葉っぱだ。万が一遭難してもしばらく何とかなるんじゃないかな。

「ん?」

 俺は1本の木に妙なモノがついていることに気が付いた。
 傷だ。しかも大きいうえに深い。猫がひっかいてつけた傷には見えない。自然番組などで見るクマの爪痕に似ている。
 この島にはクマがいるのか。遭難なんかしたらクマのディナーになってしまうんじゃ…。
 びくびくしながらさらに進むと血の匂いがした。地面にも赤い斑点が。それをたどって行くと1匹のシカが死んでいた。首には矢のようなものが刺さっている。矢があるということは人がいるのか?俺は助かったのか?
 突然後ろから落ち葉を踏む音がした。
 人か?俺は期待してその方向を見た。だが・・・、人ではなかった。

「えっ?」

 いらっしゃったのはそれは大きなクマさんでした。どうする、どうするよ俺。
 
 コマンド?  話す 攻撃 魔法 逃げる 

 いや、「逃げる」でしょ。変なもん出してるんじゃねーよ、俺の中二魂。
 という訳で、逃げます。脇目も振らず逃げます。人っぽいの見た気もするけど逃げます。足が沈むなんて言ってられない。その時の俺はバシリスクの如き走りであった。
 だから気が付かなかったんですかね。いつの間にか空を駆ける青年になっていたなんて。

「へ?」

 目の前に広がるのは青い空と青い海。足元は泡立つ海岸。

「うわああああぁぁぁ!」

 ものの見事に海に落ち溺れながらもなんとか岸についた。しかしこの海岸親不知海岸より狭くね?というより歩くところがない。
 腰のあたりにフジツボがついている。これでも干潮なのだろう。ボートまで戻るか?確か途中で右に曲がったから、右に行けば戻れる?そうと決まれば右だな。
 そういえばさっき人見たような。気のせいか?
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