第二章
[8]前話
藤堂は退院した時にだ、彼等に話した。
「皆そうだよ」
「やっぱりそうですか」
「あの人達皆ですか」
「お店の人達ですか」
「ここに出てるぜ」
藤堂は自分のスマートフォンの画像を出して説明に入った、まずは。
「この娘バニーガールのユミちゃんだろ」
「あのロングスカートのふわりとした長い黒髪の切れ長の目の」
「凄いスタイルの人ですか」
「この娘はキャバクラ嬢のアスカちゃんな」
「ジーンズで明るい顔立ちで茶髪を短くしていた」
「グラドルみたいな娘が」
写真では目のところを自分の手で隠してキャミソールの様な服を着ている、藤堂は今度は高校生の制服姿の女性を指差した、やはり目の部分を自分の手で隠している。
「この娘はイメクラのツツコちゃんだな」
「あの優しそうな人が」
「短めの黒髪でズボンが似合う人が」
「だから普段着はこうでな」
それでというのだ。
「仕事の時はな」
「そうした服になるんですね」
「そうですね」
「そうした仕事だからな、しかしわざわざ見舞いに来てくれるなんてな」
藤堂は笑って話した。
「常連でよく指名しても嬉しいな」
「もてるってことですかね」
「それでいい人だからですか」
「お店のお客さんでも見舞いに来てくれるんですね」
「そうみたいだな、嬉しいよな」
藤堂はこう言ってまた風俗に行った、だが。
結婚するとだ、もうだった。
「行かないんですか」
「ああ、奥さんいるからな」
藤田に試合が終わった後で話した。
「もう行かないさ、奥さん相手にな」
「楽しまれますか」
「そうするさ、美味い飯も作ってくれて労わってくれるし」
こう言うのだった。
「もうそうしたお店にはな」
「行かないで」
「まっすぐ家に帰るな」
「お店の人達は何て言ってます?」
「店に来なくなったら終わりだよ」
そうなるとだ、藤堂は藤田に素っ気なく答えた。
「それでな」
「お見舞いにも来てくれたのに」
「客であって恋人じゃないからな」
「だからですか」
「それで終わりだよ、じゃあまた明日な」
「球場で、ですね」
「会おうな」
こう言って着替えてだった。
藤堂は球場を後にした、そして家に帰り妻と楽しい時間を過ごした。もう風俗に行くことはなくそちらは自然消滅の様に終わったのだった。
スマホに映っていた姿 完
2023・1・25
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