第五十九話 夏の盛りでその十二
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「そう考えたらね」
「大変ですね」
「だから戦士だってね」
「店長さんは言われるんですね」
「必死に努力しないとね」
「なれなくて」
「なってからも努力努力で」
店長はさらに話した。
「あらゆるお仕事で」
「それでちょっとしたことで叩かれて」
「スポーツ選手はそのスポーツだけで叩かれるけれど」
例え攻撃されてもというのだ。
「アイドルはね」
「あらゆるお仕事でよ」
「ちょっとしたことで叩かれますね」
「粘着アンチも憑きやすいしね」
「ずっと努力してもそうですね」
「だから本当にね」
実にというのだ。
「大変なお仕事なのよ」
「洒落になっていないですね」
「それは覚悟しないと」
さもないと、というのだ。
「やっていけないのよ」
「そのことわかりました」
確かな声と顔でだ、富美子は頷いた。それは他の四人も同じだった。こうした話もしながらであった。
五人はこの日もアルバイトをした、それが終わってだった。
帰る時にだ、留奈は夕方の砂浜を見て言った。
「もうすぐ海も終わりね」
「そんな感じするわね」
一華はそれはと応えた。
「確かに」
「そうよね」
「お盆が近くなってきたから」
それでというのだ。
「何か波がね」
「高くなってきたから」
「あと少しで」
「プールになりそうね」
「そうよね」
「プールはプールでね」
理虹はそちらのアルバイトの話をした。
「大変みたいね」
「アイス屋さんね」
「カレーも売るらしいし」
「そっちもね」
「というかね」
理虹はこうも言った。
「海の傍で食べるカレーって美味しいわよね」
「そうよね」
一華もそれはと応えた。
「潮風のせいかね」
「妙に美味しいのよね」
「海の傍のカレーって」
「泳ぎもするしね」
留奈はこちらもと話した。
「身体も動かして」
「そうもしてね」
そうしてというのだ。
「尚更ね」
「美味しいのよね」
「そうなのよね」
「焼きそばだって」
留奈はこの食べものの名前も出した。
「美味しいわね」
「そうよね」
「潮風におソース」
「その組み合わせもいいのよね」
「これがね」
「つまりあれね」
理虹は考える顔で話した。
「潮風には濃い味がね」
「合うのね」
「そう、それでね」
「カレーや焼きそばが合うのね」
「そうなのよ、しかしね」
「しかし?」
「そんなお話していたら」
理虹は自分の腹に右手を当てて笑って話した。
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