第五十九話 夏の盛りでその八
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「噂を鵜呑みにする人が自分をどう思っても」
「何でもないですか」
「そうよ、けれど」
「襲われたりしたら」
「本当に一生になりかねないから」
「身体も心もですね」
「そこまで傷付くことになるから」
だからだというのだ。
「もうね」
「噂になってもですね」
「そうしたことを言ってもよ」
「身を守ることですね」
「時としてそうしたことも必要よ」
「そうなんですね」
「そうよ、じゃあ泳いでくるわね」
ここまで話して笑顔になってだった。
店長はシャツを着たまま海に出た、そして下はビキニという一華達が驚く様な恰好で泳ぎはじめた。その彼女を店内から見てだった。
一華はかき氷を作って客に出してから言った。
「確かにあのエロさだとね」
「声もかけられるわね」
ジュースの用意をしているかな恵が応えた。
「そうなるわね」
「そうよね、それじゃあね」
「インキンって言ってね」
「言い寄る人去らせるのも手ね」
「ええ、頭いいわね」
「確かに疑われても」
インキン持ちと、というのだ。
「けれどね」
「それでも変な男を避けられたら」
「それならね」
一華はブルーハワイのかき氷を作りつつ話した。
「いいわね」
「そうよね、しかしね」
「しかし?」
「インキンとか言われたら」
「それ引くわね」
「滅茶苦茶ね」
「あれってなったら痒いのよね」
一華はインキンの具体的なことを話した。
「それも滅茶苦茶に」
「そうみたいね」
「主に男の人がなるけれど」
「女の人もなるのかしら」
「なるんじゃない?」
一華は今一つ要領を得ていない返事で応えた。
「店長さんが言われてるんだし」
「そうなのね」
「それでね」
「あれ感染するから」
「だから怖いのよね」
「いや、インキンが出るとは思わなかったわ」
留奈は皿洗いをしつつ笑って話した。
「本当にね」
「そうよね、流石にね」
「幾ら美人さんでもね」
「インキンとか言われたら」
それだけでというのだ。
「気持ち一発で冷めるわね」
「そうなるわね」
「いや、そう思うとインキン凄いわね」
「破壊力あるわね」
「無茶苦茶ね」
「というかインキンになるのってね」
富美子はカレー鍋の前にいる、そうして注文を待っているがそのうえで応えた。
「相当不潔にしてるからよね」
「もうお風呂入ってないかね」
「服を着替えてないか」
「それでね」
「なるのよね」
「水虫だってね」
こちらもとだ、一華は富美子に話した。
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