第五十九話 夏の盛りでその六
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「考えたからって怒るとかね」
「もう理不尽ですね」
「それこそ全体主義国家というか」
「もう無茶苦茶ですね」
「誰もその人の考えを止めることは出来ないのよ」
絶対にというのだ。
「変えることは出来ても」
「止めることは出来ないですね」
「ええ、どうしても使われたくなかったら」
そう思うならとだ、店長は話した。
「もう全く色気のないね」
「そうした格好を見せることですか」
「仕草とかね」
「それがいいですか」
「例えばガニ股で歩いたり」
店長は具体的な仕草の話もした。
「あと股のところに濡れたタオルをパーーンて当てるとか」
「それないですから」
一華は店長が笑って言った今の例えに驚いて言った。
「ちょっと以上に」
「そうでしょ」
「はい、それって」
一華は引いた顔でさらに言った。
「銭湯のお風呂上りのおじさんですよ」
「本当にいるかどうかわからないけれどね」
「そんなことする人は」
「他にはスポーツ新聞読んだりおっさんギャグ言ったりね」
「そうしたらですか」
「爪楊枝を咥えるのもね」
こうした仕草をすることもというのだ。
「いいわよ」
「色気の欠片もなくて」
「どんな美人がどんなエロいファッションでもね」
「声をかけられないですか」
「そうよ、例えハリウッドのトップ女優がね」
そうした人がというのだ。
「水着姿でここにいても」
「ガニ股で歩いたりですね」
「それで濡れたタオルでよ」
「股のところをパーーーン、ですね」
「そうしたらね」
それこそというのだ。
「声をかけられないわ、あとね」
「あと?」
「インキン持ちだけれどいい?って声をかけられた時に言ったら」
「引きますか」
「一回夜バーで声かけられてね」
店長は今度は自分の経験から話した。
「そう言ったらよ」
「相手の人逃げたんですね」
「性病は流石に言うと引くでしょ」
「それ冗談でも言えないですよ」
流石にとだ、かな恵もどうかという顔で答えた。
「流石に」
「だからマイルドにして」
「インキンも辛いっていうからね」
なってしまうとだ、尚かつての帝国海軍では職業病であり多くの人が苦しめられていたという。今の海上自衛隊はわからないが。
「利くわよ」
「インキンって言うとですか」
「皆引くから」
声をかけた男達はというのだ。
「どうしてもっていう時はね」
「言うといいですか」
「性病は言う方も抵抗があるけれど」
それでもというのだ。
「インキンだとね」
「まだましですね」
「けれどこれもね」
インキンもというのだ。
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