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第五十九話 夏の盛りでその一

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               第五十九話  夏の盛りで
 それぞれの部の合宿の日が近付いてきていた、それでだった。
 店長は五人に店内で落ち着いた時に笑って話した。
「あんた達そろそろ合宿でしょ」
「はい、部活の」 
 一華が応えた。
「そうですけれど」
「丁度お盆だしね」
 店長はこうも言った。
「丁度いいわ、楽しんできなさいね」
「合宿もですね」
「私もOBだから言うけれど」
「八条学園の」
「そう、高校もあっちだったしね」
 高等部もというのだ。
「それで知ってるけれど」
「何かお昼は部活で」
「夜はね」
「お酒ですね」
「瀬戸内海の海の幸を肴にね」
 それでというのだ。
「もうお酒がよ」
「物凄く出るんですね」
「毎日浴びる様に飲むのよ」
「それいいですよね」
 五人の中で最も酒好きのかな恵は笑顔で応えた。
「それじゃあもうそれこそ」
「飲むのね」
「そうします」
 涎を垂らさんばかりの顔で述べた。
「合宿の時は」
「それで皆二日酔いでね」
「朝はですか」
「死にそうになるから」
 それでというのだ。
「お風呂にね」
「行くんですね」
「それですっきりして」
 そうしてというのだ。
「一日はじめてるのよ」
「そうなんですね」
「面白いわよ、ただね」
「ただ?」
「夜は浴衣でしょ」
 それを着るというのだ。
「だから注意しなさいね」
「あっ、浴衣ってはだけますね」 
 留奈はすぐに応えた。
「そうなりますね」
「だからね」
「そこは注意ですね」
「はだけたら見えるわよ」
「下着が」
「下着でなくてもよ」
 そうでなくともというのだ。
「胸元とか太腿とか」
「そうしたものが見えて」
「危ないから」
「そこは注意ですね」
「ちょっと暑いけれど下にシャツとか半ズボン身に着ける娘もいるのよ」
「はだけるの前提で」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「だからね」
「そこは注意ですね」
「本当にね」
 こう言うのだった。
「くれぐれもね」
「わかりました」
「しかし八条学園にいますと」
 理虹はこう言った。
「皆飲みますね」
「学校のある八条町自体がそうでしょ」
「元々お酒が名産で」
「灘と一緒でそこから栄えた場所で」
「それで、ですね」
「縁があるのよ」
 酒と、というのだ。
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