第八十三話 合宿前日その一
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第八十三話 合宿前日
合宿の前の日にだ、咲は速水に話した。
「明日からです」
「部活の合宿で、でしたね」
「三日いないです、すいません」
「謝ることはありません」
速水は咲に微笑んでこう返した。
「特に」
「そうですか」
「部活に入られていてそちらにも情熱を向けたいならです」
そうであるならというのだ。
「励むこともです」
「当然のことですか」
「学生さんの本分は何か」
速水は咲にこのことを問う様に話した。
「一体」
「学業ですね」
「勉学ですね、そしてその次は」
「部活ですか」
「アルバイトが重要だとしても」
このことは事実でもというのだ。
「それが生活の為で必要でない限り」
「学業を優先すべきですか」
「そして部活に励んでもです」
「いいんですか」
「はい、それに小山さんは以前から私にお話してくれていて」
部活の合宿のことをというのだ。
「三日の間シフトを開けておられるので」
「事前にですね」
「ですから」
そうしているからだというのだ。
「別にです」
「悪くないですか」
「はい」
そうだというのだ。
「全く」
「ならいいですが」
「潔く謝罪することも大事ですが」
速水は咲に謝罪のことも話した。
「無闇に謝る必要はです」
「ありませんか」
「自衛隊の幹部候補生学校ではそう教えられるそうです」
「無闇に謝ってはいけないと」
「自衛隊の幹部、軍隊で言う士官はです」
この立場の者はというのだ。
「責任があり断固たる行動や判断も必要であり他国にも誇りを見せないといけません」
「厳しい立場なんですね」
「ですから」
そうした立場になる教育を受けるからだというのだ。
「無闇に謝る様な」
「そうしたことはですか」
「咎められます」
「そうなんですね」
「若し無闇に謝れば」
自衛隊の幹部候補生学校でというのだ、これは陸海空共通の様だ。
「謝る必要はないとです」
「咎められるんですね」
「即座に」
謝ったその場でというのだ。
「それならば訂正する」
「そうすることですか」
「それが求められます」
「それが自衛隊なんですね」
「幹部なのです」
普通の国の軍隊で言う士官だというのだ。
「そうなのです」
「そうしたことはじめて知りました」
「左様ですか」
「自衛隊ってそうしたところでもあるんですね」
「はい、実は自衛隊関連のお仕事を何度かです」
「されたことがあるんですか」
「横須賀でも江田島でも」
こうした場所でというのだ。
「そうでした」
「横須賀ですか」
「行かれたことはありますか」
「はい、あります」
咲はすぐに答えた。
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