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第四話 神犬その十

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「あいつはな」
「そうね、私も言われるとね」
「そう思うな」
「地の龍の有力な候補としてはね」
「妥当やな」
「そう思うわ、若しあの人が出て来たら」
「戦うしかないな、しかしその強さはな」
 桜塚護、彼のそれはというのだ。
「相当なもんでな」
「それでよね」
「わい等が束になってかからんとな」
「敵わないかも知れないわね」
「噂に聞く力は相当や」
 こう言うのだった。
「そやからな」
「若し私達の前に出て来たら」
「その時はな」
 まさにというのだ。
「何人がかりでもな」
「全力でかかることね」
「ああ、そうせんとな」
「勝てないかも知れないわね」
「そうかもな、遊人さんも相当なもんや」
 彼にしてもというのだ。
「地の龍は間違いなくや」
「一人一人が相当なものね」
「最低でもわい等と互角や」
「七人いて」
「七人全員が」
「そや、わい等も強いことはな」
 自分達の能力の話もした。
「間違いないが」
「それでもね」
「相手もな」
 地の龍である彼等もというのだ。
「相当にや」
「強くて」
「それでや」
「戦うなら油断は出来ないわね」
「そして桜塚護はな」
「その地の龍の中で特に力が強いわね」
「そうかもな、しかし何があってもや」
 空汰は強い声で言った。
「わい等は勝たんとな」
「世界は滅びるわ」
「こうなる、そしてな」
 それにと言うのだった。
「勝つ為に天の龍は全員や」
「集まらないといけないわ」
「そしてその軸は」
 その人物はというと。
「神威や」
「彼ね」
「そやから何としてもな」
「ええ、神威をね」
「迎え入れような」
「世界を救う為に」
 嵐は言葉で頷いた、そうしてだった。
 二人で丁の前に戻った、そのうえで報告をすると丁はわかりましたと答えただけであった。そしてこの時。
 庚は塔城製薬会長室に赴いていた、そこでスーツ姿に白髪と髪の毛と同じ色の立派な顔を覆う髭の老人と会っていた。
 そうしてだ、老人に確かな声で話した。
「彼はです」
「やはりそうでしたか」
「運命のことはご存知でしたね」
「はい」
 老人は庚に確かな声で答えた。
「私も」
「やはりそうでしたか」
「はい、では」
「彼をです」
「庚様方がですね」
「お預かりしまして」
 そうしてというのだ。
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