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第四話 神犬その八

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「嫌い合ってるかっていうとな」
「決してなのね」
「違ってな」  
「戦いを離れたら」
「もうな」
 そうなればというのだ。
「特にや」
「戦う理由はないのね」
「ああ、出来たらな」
 空汰は顔を斜め上にやって述べた。
「お互い話したけど戦いが終わったらな」
「その時は」
「仲良うしたいわ」
「あの人とは」
「そうしたいわ、難しいけどな」
「敵同士だから」
「わいはこの戦いで死ぬしな」
 運命のことも話した。
「そやからな」
「そうなのね」
「ああ、けどな」
「そうしたいのね」
「出来たらな」
 こうしたことも話してだ。
 二人で神威の下宿先まで行ってそうして部屋のチャイムを鳴らしたが反応はなかった。それでこの時もだった。
 帰るしかなかった、だが。
 帰路でだ、空汰は嵐にこんなことを言った。
「あいつも忙しいみたいやな」
「学校からまだ帰っていないのかしら」
「それか寄り道してるか」
「それでいないのね」
「そやろか、しかしな」
「しかし?」
「あいつもあいつでな」
 神威のことを考えて話した。
「何かと思うとこあるんやろな」
「私達の戦いについて」
「そや、あいつは世界の運命の鍵を担ってる」
 嵐に真面目な顔で話した。
「そやからな」
「それだけに」
「ああ、思うことはな」
 これはというのだ。
「わい等より遥かにや」
「重いわね」
「そして大きいわ」
 そうだというのだ。
「それでや」
「色々と考えて」
「あちこち行ったりな」
「しているのね」
「そやろ、そしてその神威とな」
「私達は共に戦っていくわね」
「そや、それやとな」
 嵐にさらに話した。
「神威が仲間になったら」
「その時は」
「わいはあいつ支えんとな」
「同じ天の龍として」
「それが役目やしな」
 彼を支えることがというのだ。
「そうしていかんとな」
「そう考えているのね」
「そや」
「なら私も」
 ここで嵐は空汰にこう言った。
「彼を支えるわ」
「嬢ちゃんもかいな」
「支えるのはね」
「そうしてくれるんやな」
「ええ、そうしてね」
 そのうえでというのだ。
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