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家がなくとも犬がいてくれて
第一章
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                家がなくとも犬がいてくれて
 イギリス東部ハルにおいてだ。
 一人の四十代のホームレスを見てだ、街の人達は心配そうに顔を見合わせた。
「さっきまでこの子と話していたが」
「抱き締めて」
「急にな」
「動かなくなったな」
「クゥ〜〜〜ン・・・・・・」
 ホームレスといつも一緒にいた白地に茶色があるジャックラッセルの犬も彼の傍で悲しそうにいる、人々はその犬も見てその上で話した。
「この子も悲しそうだな」
「ああ、テディーっていったな」
「この子もどうなるんだ」
「ちょっと役所に話してみるか」
 心ある人達が話してだった。
 まずはホームレスのことが詳しくわかった、彼はジョナサン=エラリントンといって家も家族もあったが。
 彼女の姉がだ、彼を心配する人達に話した。
「弟は七人兄弟で育って」
「それで、ですか」
「学校に馴染めないで」
「薬物中毒になって」
「ご家族からも離れて」
「ホームレスをしていたんですか」
「はい、戻ってはどうかと言っても」
 家族がというのだ。
「やっぱりです」
「そうしてですか」
「ホームレスとしてですか」
「ずっと暮らしていて」
「そしてです」 
 そのうえでというのだ。
「ずっと薬を止められなくて」
「死因もですね」
「薬物中毒ですね」
「そうだったんですね」
「ですがずっとこの子を大事にして家族だったので」
 女性はテディーを見て話した。
「この子は私達が引き取って」
「育ててくれますか」
「私達も気になっていましたが」
「そうしてくれますか」
「はい、そうします」
 こう言ってだった。
 女性はテディーを引き取った、そうしてだった。
 彼を家に入れてだ、そのうえで話した。
「ジョナサンの分まで幸せになってね」
「そうだ、あの子の傍にずっといてくれたんだ」
「大切に気遣ってくれたから」
「今度は貴方が幸せになってね」
「クゥ〜〜〜ン」
 テディーは家族に優しく迎えられた、そしてだった。
 親友の家族と共に暮らしはじめた、そのうえで幸せになったのだった。
 その話を聞いてだ、アメリカのカルフォルニア州ブレスノに住むホームレス救済のボランティアをしている教会勤務のジェニーラセット=シェザー白い長い髪の毛にグレーの瞳の彼女は。
 街に出て顔の下半分に白い髭を生やした優しい顔立ちの老人クリフォード=ジェームス=ハーバードにも話してこう言った。
「きっとです」
「この子もですか」
「はい、幸せになれます」
 彼と共にいる白いピットブルも見て話した。
「ベイビーも」
「もうです」
 ハーバードは悲しい顔で話した。
「わしはです」
「癌で、ですね」
「その前に身体を壊して失業して」 
 そう
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