第一章
[2]次話
犬を裏切るなら人間にも
国咲家の一家はふわりの前の飼い主の娘達今は心優しい子供がない親戚の家族の養子になって幸せになっている二人のいる家にだ。
ふわりを連れて訪問した、すると。
「ワンワン」
「ダア」
「ダアダア」
ふわりはすぐに幼い二人のところに行くとだった。
二人の傍に座って優しい目で見守った、二人も笑顔でだった。
ふわりと共にいた、国咲家の息子文太はそんな彼女達を見て話した。
「ふわりにとって妹さん達か」
「ああ、二人共な」
父の文太は息子にこう答えた。
「そうなるからな」
「だからか」
「ああしてな」
「会うとか」
「いつも大事にしてな」
「傍にいて見守っていてか」
「おもちゃを貸してあげたりな」
そうしたりというのだ。
「子供達が泣きそうなら知らせてくれてな」
「おむつ持ってきたりしてくれるんだな」
「そうするんだ」
「妹さん達だからか」
「大事にしてるんだよ」
「そうか、ふわりっていい娘だな」
しみじみとだ、洋介は父の話を聞いて言った。
「つくづくな」
「家でもそうだしな」
「妹さん達にもか」
「そうだ、しかしな」
「そんないい娘をな」
「あの連中は平気で捨てたんだ」
ふわりの前の飼い主達で女の子の両親の話をした。
「そうしたんだ」
「つくづく碌でもない奴等なんだな」
「そうだ、最初は可愛がっていてな」
「上の娘が生まれたら相手にしなくなってか」
「吠えて五月蠅いと言ってな」
「保健所にポイか」
「ふわりの気持ちを簡単に裏切ったんだ」
文太は怒った声で話した。
「保健所で殺処分されてもな」
「いいってか」
「なったんだ」
「そうなんだな」
「ああ、本当にな」
まさにというのだ。
「ふわりを何とも思わなくてな」
「飽きたおもちゃを捨てる感じでか」
「裏切ってな」
「捨てたか」
「ああ、そして平気で犬を捨てる様な連中なら」
文太はさらに言った。
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