第29話 因果応報、狩られる者達 前編
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賊達は略奪した食料が無くなったら、また来ると言っていたそうです。
揚羽はその情報を元に、森の中を調査して、賊の通った場所を見つけました。
その場所に沿って罠を張ることになりました。
揚羽の罠の概略は、森に入った賊を火計で焼き殺し、それから逃れた賊を各個撃破するというものでした。
私はこの火計で気になることがありました。
揚羽に、森を火計の場にして、今後の村人の生活に支障ないのかと聞きました。
揚羽は渋い顔をしていましたが、村人達は生活に困るかもしれないが、賊に怯える生活よりましだと口々に言いました。
村人達の同意を得、火計の準備に移ることにしました。
私と楽進、李典、于禁は火計の準備を揚羽達に任せ、揚羽の指示に従い、村側の森の入り口とは反対側に移動しました。
私達は身を隠せそうな岩場を見つけ、賊が来るのを待つことにしました。
私達の役目は火計で動揺した賊達を後方から襲撃することです。
揚羽の話では夜までには火計の準備が終わると言っていました。
私達は身を隠し、じっと監視していました。
夜になっても何もおこりません。
結局1日目は空振りに終わりました。
翌日の深夜になると、賊達が現れ続々と森の中に入っていきました。
私達は火計の始まるのを今か今かと待ちました。
賊達が森の中に入りきって、暫くして村がある方角の森の辺りが爛々と燃えていました。
夜なので火の明かりが良く目立ちます。
火計が始まったと思った私達は、森の中に入って行きました。
賊達が森の奥から必死な顔で逃げたしてきました。
私は双天戟を構え、振雷・零式を放ち賊達を焼き払いました。
その後も、賊を森の奥に押し込めるべく、振雷・零式を放ち続けました。
森の奥からは、火計に嵌った賊達の絶叫が聞こえます。
火計を初めて体験しました。
まさに、地獄です。
森の奥では火に逃げ遅れた人間が火だるまになって転げ回っています。
村側の森の入り口は完全に火が回っていると思います。
火の回りは早く、かなり近くまで回っているように思います。
賊達はまだ、こっちに向かって逃げてきます。
早く終わらせないと、私達まで火に巻き込まれます。
私は振雷・零式を放つのを止め、双天戟で賊達を殺すことにしました。
賊を草を刈る如く、止めを刺して行きます。
火計の恐怖に動揺している賊など敵ではありませんでした。
彼らは逃げることで頭が一杯で、武器など持っていないものが殆どです。
楽進、李典、于禁は私の強さに驚いています。
「何を突っ立ている!今、賊達を皆殺しにしなければ禍根を残すぞ!」
私は賊を殺す手を止めている3人に
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