第二章
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「こうしてね」
「そうなんですね」
「これがいい宣伝になって視聴も多くて」
「広告収入も入ってますね」
「そうだよ、それで今回のフィギュアは」
見れば有名なアニメキャラである、梶はそのフィギュアを〇から魔法の様に神がかりな手の動きで造り上げていた。
「特注じゃなくてね」
「市販ですね」
「それのモデルだから」
「それにするから」
「造ってもらってるよ、そしてその状況を」
「撮影して」
「ユーチューブで紹介するから」
「わかりました、俺はフィギュア造れてそれで食えるなら」
梶は笑って応えた。
「それでいいですから」
「じゃあ頼むよ」
「造っていくんで撮影お願いします」
こう佐藤に言ってだった。
梶は造っていった、その製作過程は佐藤が撮影して編集して動画としてフィギュアを愛する者達に紹介された。
その動画は大人気で市販されたフィギュアの出来もだった。
「評判いいよ」
「それは何よりですね」
梶は今度は特注のものの製作に入りつつ佐藤に応えた。
「俺も自分がモデル造ったのが好評なら」
「嬉しいね」
「はい、やりがいがあります」
こう言うのだった。
「それじゃあ次も。あと俺も動画観ていますが」
「自分の製作状況のだね」
「面白いですね、俺はこうして造ってるんだって」
「観られてだね」
「面白いです、自分の手の動きも客観的に観られますし」
「何処がどういいか悪いかもだね」
「いいですね、また動画あげて下さい」
佐藤に笑顔で話した。
「俺も楽しみにしていますか」
「そう、それではね」
「宜しくお願いします」
製作を続けつつ言った、そうしてだった。
佐藤が収録した動画を自分も観ていった、そのうえで楽しみかつ参考にしていきさらに造っていった。佐藤も他の社員達も造るだけでなく観ることもする彼を本物のフィギュア職人だと言った。だが本人はそう言われてもだった。
「俺は造れればいいですから」
「フィギュアをだね」
「完成したものや動画も観て」
そうしてとだ、佐藤に一緒に昼食のラーメンを食べつつ話した。
「嬉しいですから」
「そう言うんだね」
「はい、それでいいです」
笑顔で話して彼と共にラーメンを食べた、そして会社に帰るとまた造るのだった。造る時の目はきらきらとしていた。
フィギュア造りの動画 完
2023・1・22
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