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妹を助けたら姉から
第二章

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「あの人よ」
「あの人に助けてもらったのね」
 二人で庇を見てこんな話をしていた。
「そうなのね」
「うん、そうなの」
「わかったわ、あの」 
 女性は少女の話を聞いてだった。
 公園の出入り口の前を通った庇にだ、自分から声をかけた。
「あの」
「あの?」
「はい、いいでしょうか」 
 庇に言ってきた。
「お話があるんですが」
「僕にですか」
「この娘のことで」
「あれっ、君は」
「お兄ちゃん久し振り」
 笑顔でだ、少女は庇に右手を振って挨拶をしてきた。
「あの時は有り難う」
「須崎望といいます」
 女性は自分から名乗った。
「この娘の姉です」
「瑠璃子っていうの」
 少女も名乗った。
「この前こっちに引っ越してきたの」
「歳は離れてますが」
 それでもというのだ。
「姉妹でして」
「そうですか」
「両親と一緒にこっちに暮らしています」
 こう庇に話した。
「両親の仕事の関係でこっちに引っ越してきまして」
「お姉ちゃんも働いてるの」
 妹も言ってきた。
「お仕事はライターさんよ」
「まああまり売れてないですが」
「そうですか」
「はい、妹を助けてくれて有り難うございます」
 庇に頭を下げて礼を述べた。
「それでお礼に何かご馳走しますが」
「いえ、いいですよ」
「そう言わずに」
 笑顔で言ってだった。
 望は庇を瑠璃子と共に自宅に連れて行った、自宅は何と庇の家のすぐ近くで庇はこのことに驚いたが。
 望は彼に手料理をご馳走した、それはかなり美味くしかもだ。 
 一緒にカレーを食べている瑠璃子が彼に言ってきた。
「お兄ちゃん今度一緒に遊ぼう」
「それは」 
 小さな女の子と一緒に遊ぶと通報される、そう思ったが。
 望がここでにこりと笑って言ってきた。
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