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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第143話:双頭の蛇
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現れた事を言った時、誰かが冗談めかして双子だったのではと宣っていたがそれがまさか正解だとは思ってもみなかった。
そんな話をしていると、メデューサの傍にマリアの相手をしていた白メイジ2人が近付いていく。2人は共にメデューサを背に庇う様にしてマリア達と対峙し、何時でも攻撃できるようにと構えた。
どうやらそろそろお喋りの時間は終わりらしい。
「ま、私が双子だった事等どうでもいい。そろそろお前達を始末して、外の連中も片付けに行かないと……」
メデューサから放たれる殺気が増した。それを直接向けられたマリア達は何が来ても良いようにと身構え、反対に直接殺気を向けられた訳ではないウェル博士はビビッて腰を抜かしている。
両者の間に一触即発の空気が流れたその時、突如メデューサの傍に窓の様な物が出現しそこからワイズマンの声が響いた。
「もういい、十分だメデューサ」
「ワイズマン様?」
「これ以上やっても何にもならない。つまらん事に時間を費やすのもアホらしいからさっさと戻ってこい」
それだけ言うとワイズマンは窓を閉じた。端的に言えば、もう飽きたから戻って来いという事らしい。あまりにも身勝手、且つ気分屋なワイズマンに2人の会話を聞いていたガルド達は顔を顰めた。
ワイズマンの身勝手さにガルド達が言いようのない不快感を露わにしていると、メデューサはマリア達とウェル博士を一瞥し小さく鼻を鳴らした。
「ふん、命拾いしたわね」
「そりゃどっちがだ?」
あえて挑発するようなガルドのセリフに、メデューサは一瞬睨むように彼に視線を向ける。だがワイズマンからの命令が最優先なのか、感情に任せて動くようなことはせず動ける部下2人と共にその場を後にした。
「お前達はいつか必ず始末するわ。その時まで首を洗って待ってなさい」
〈テレポート、ナーウ〉
そうしてメデューサ達はマリア達の前から去っていった。後に残されたのはマリア達4人に、未だ腰を抜かしてへたり込んでいるウェル博士のみ。
一先ずメデューサが去り重圧が消えたことで一息つく余裕が出来た。マリア達は安堵の溜め息を吐く。
「はぁ〜、帰ってくれたみたいね」
「デス。正直生きた心地がしなかったデスよ」
「前のメデューサとは、似てるけど確かに違う」
「もしかすると、前のメデューサよりも強さでは上かもしれないな」
今後は何かあればあのメデューサが立ち塞がる事になる。その事実を考えると不安が過る4人だったが、とりま今はその脅威が消えたことで目的であったシャトーの完全無力化に動く事が出来る。
改めてシャトーの中枢区画に向けて急ぐのだった。
「あっ!? ちょっ、僕を置いてかないでッ!?」
ウェル博士をその場に残して…………
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