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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第143話:双頭の蛇
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再会した颯人は、彼にこう告げていた。

 曰く、英雄の活躍なんてものは後でいくらでも脚色できる。ここで協力してくれれば、盛に盛った武勇伝を残す事も出来るぞ、と。
 逆に協力してくれなけりゃ、あらゆる手を使って武勇伝を面白おかしくコミカルで情けない感じに脚色してやると。

 それはある意味でウェル博士にとって死ぬよりも辛く、そして屈辱的な話であった。英雄となる為であれば死ぬ事も辞さない彼だが、その英雄としての武勇伝を後の世の笑い物の種にされるなど想像するだけでゾッとする。

「ま、そう言う訳だから、仕方なく君らに手を貸してやるって言ってるんです。泣いて喜んでくれても良いんですよ? 何しろこの英雄が君らの味方をするって言うんですからッ!」
「誰がするかデスッ!」
「だがまぁ彼のお陰で助かったのは事実だ。そこは感謝しよう」

 因みに始末されそうだったウェル博士がまんまと逃げられたのは、深淵の竜宮で颯人と取引した際にもしもと言う時の事を考えて逃走用のアイテムを渡されていたからだ。アルド特性の煙幕で姿をくらまし、同時に安全な場所まで退避できるアイテムで上手く逃げ隠れする事が出来た。

 何だかんだでウェル博士に助けられた事に一応の納得を見せるマリア達だったが、一方で面白くないのがメデューサ達だった。予定ではここでガルド達を始末し、そのまま外の颯人達も始末して最後には邪魔になるキャロルも始末する予定だったのにそれが完全に狂ってしまった。
 メデューサは湧き上がる怒りに拳を強く握りしめる。

「貴様ら……どいつもこいつも私達の邪魔をして……!?」
「それはそうと、一つ聞きたいんですが……あなた誰です?」
「は?」

 唐突なウェル博士からの質問に、メデューサが仮面の奥で怪訝な顔をする。それに構わず、ウェル博士はそれまで感じていた疑問を口にした。

「声とかはメデューサさんによく似てますが、あなた僕の知ってるメデューサさんじゃないでしょう?」
「どういう意味だ、ウェル博士?」
「どうもこうも、そのままの意味です。よく見れば、咄嗟の反応その他諸々が以前行動を共にしていたメデューサさんと違います。彼女は別人です。一体何処の何方ですか?」

 ウェル博士の指摘にガルド達の視線がメデューサに集中する。対するメデューサは、ウェル博士からの指摘に大きく溜め息を吐くと何かを観念した様子で肩を竦めた。

「全く、こんな簡単に……それもこんな男に見破られるとは思ってもみなかったわ」
「お褒めの言葉と受け取っておきましょう。それで?」
「えぇ、お前の言う通りよ。私はお前達が知ってるメデューサじゃない。あれは私の双子の姉、ミサよ」
「双子ッ!? マジデスかッ!?」
「本当に双子だったなんて……」

 クリス達が再びメデューサが
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