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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第143話:双頭の蛇
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外の人物であった。
「貴様、ウェルッ!?」
「デデデッ!? あの野郎、こんな所にッ!?」
「キャロルについて行っていたとは聞いていたが……」
ふらりとやって来たのはウェル博士。危うくキャロルとハンスにより始末されそうになっていた彼だが、どう言う訳か上手い事逃げ出しこうしてこの場に姿を現した。その顔には何処から湧いてくるのか、自信が溢れている。
「クヒヒヒッ! やはりここぞと言うところで活躍するのはこの僕、英雄たるドクター・ウェルしかいないッ!!」
「貴様、何をしたッ!?」
今のウェル博士の物言いで、メデューサだけでなくマリア達も彼が何かをしたのだと気付いた。今にも飛び掛からんとするメデューサからの問いに対し、ウェル博士はもったいぶる様に眼鏡を指で押し上げながら答えた。
「んっふふ〜、何簡単な事です。さっきこの城の制御にアクセスした時、防衛機構を切っておいたんですよ。彼女らが入ってきた時の為にね」
「何故そんな事を……」
「ウェル博士ッ! 何故お前が俺達の味方をする? お前はキャロル達に協力するつもりだったんじゃないのか?」
ガルド達はそれが分からなかった。深淵の竜宮でのキャロルとのやり取りを見る限り、ウェル博士はキャロルに対して協力的だった筈だ。よしんばここに来てから考えの違いで協力関係が切れたのだとしても、それにしては準備が良すぎると思わずにはいられない。
「単純な話です。あの時点で僕は既に、あのウィザードと密約を交わしていたんですよ」
「何だとッ!?」
「ハヤト……あいつ、時々何かコソコソしていたと思ったが……」
思えばここ最近、颯人は姿が見当たらないと言うか1人でコソコソしている雰囲気があった。だがまさか、ウェル博士と密約を交わしていたとは思わなかった。
切っ掛けは恐らく、透が偶然深淵の竜宮に収められている聖遺物のリストの中にウェル博士を見つけた時だろう。
だがそれにしたって不可解なのは、ウェル博士がいやにこちらに協力的だという事だ。彼の事だからもっと反発するかと思うのだが…………
「それにしたって、物分かりが良すぎる。ドクター、颯人さんとどんな話をしたの?」
「どんな? そんなの決まってます。僕の英雄としての活躍に変な脚色をされない為ですッ!!」
「「「「……はぁ?」」」」
ウェル博士の言葉に、ガルド・マリア・切歌・調の4人は思わず素っ頓狂な声を上げて首を傾げてしまった。メデューサと白メイジ2人ですら、意味が分からず互いに顔を見合わせる。
「何を、言っているの?」
「どうもこうもありませんッ!? ここで彼に協力しないと、後の世に伝えられる僕の英雄としての活躍が面白おかしく脚色されるんですよッ!?」
仲間達に黙ってこっそりウェル博士と
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