暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第143話:双頭の蛇
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短剣に戻っていた。迫るメイジをマリアは手の中にある短剣で見事に捌く。

「ふぅ……」

 最初の危機を何とかやり過ごせたことにマリアは小さく息を吐き、チラリと切歌・調の2人を心配して視線をそちらに向ける。あの2人が最も力を発揮できるのは力を合わせた時。逆に言えば分断されてしまえば各個撃破と言う憂き目に遭いかねない。

 そこはあの2人も分かっているようで、分断される事無く互いに背中合わせになって同時に6人のメイジを相手にしていた。3倍の人数を相手にしている都合上まだ誰1人倒せてはいないが、それでも何とか持ち堪えてはいるようだ。
 その事にマリアは小さく笑みを浮かべると、気を引き締めて残りのメイジと、何よりも後ろの方でこちらの様子を窺っているメデューサに警戒した。特にメデューサは狡猾だ、何をしてくるか分かったものではない。

 だが警戒してメデューサをよくよく見てみれば、何やら周囲を見渡して落ち着かない様子だ。まるで何かを待っているかのようである。

「おかしい……どういう事?」
――何? メデューサは何を待っているの?――

 疑問を抱かずにはいられないマリアだったが、白メイジ達が彼女に長々と考える時間を与えない。ライドスクレイパーを手に向かってきた白メイジに、マリアは気持ちを切り替え迎え撃った。

 その時突如やってきた衝撃が切歌達の相手をしていた白メイジを吹き飛ばした。何事かとマリアがそちらを見れば、そこには黒い仮面に白い鎧のキャスターの姿があった。

「ガルドッ!」
「すまない、待たせたな3人共!」
「ガルド、その格好なんデスかッ!」
「修行の成果って奴だ。切歌、調、倍以上の人数相手に頑張ったじゃないか」
「切ちゃんと一緒なら、これくらい何ともない」

 ハンスを下して合流してきたガルドに、マリア達の心に余裕が生まれた。今の一撃で白メイジの大半が脱落した事も大きい。これで残るはマリアの相手をしている2人に、後ろの方で何かを待っていたメデューサだけ。

 そのメデューサは、ハンスがガルドにやられた事を察し遂に苛立ちを抑えきれなくなった様子で近くの壁を殴った。

「くっ!? あの小僧、口ほどにもないッ!? 大体どうなっているのッ!? シャトーの防衛機構は何時になったら……」

 どうやらメデューサが後ろで待っていたのは、シャトーに備わっていた防衛機構が動く事だったらしい。巻き込まれないようにする為か、それともその防衛機構とやらで隙を見せたマリア達を始末する気でいたのかは定かではないが。

「このポンコツ、使い物になりゃしない……!?」

「それは言わないであげてください。彼女は何も悪くは無いんですから」

 憤るメデューサに、何者かが声を掛ける。全員がそちらを見れば、そこに居たのは予想
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