第五十七話 少しでも思うことその十三
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「その親御さんがずっとね」
「甘やかしたのね」
「その結果ね」
まさにというのだ。
「そこまでだよ」
「どうにもならない人になったのね」
「そうみたいだよ」
こう一華に話した。
「その人はね」
「親って大事ね」
「うん、毒親だとね」
「酷くなるのね」
「うん、ただ本人の責任もね」
これもというのだ。
「あるよね」
「五十過ぎだとね」
「幾ら親御さんが酷くても」
「一度結婚されてるんだし」
「それでね」
「結婚って大きいっていうのはね」
一華は考える顔で話した。
「私達だってわかるわよね」
「そうだよね、人生においてね」
「それって安い経験じゃないわよ」
「かなりだよ」
「それから学ぶことってね」
「もう子供が大人になる位じゃない?」
それこそというのだ。
「大きなものじゃないかな」
「それがあってね」
「もう全くね」
「成長してないで」
「そんな五十過ぎてまで」
「中二病みたいになってるなんて」
自分がこの世で一番偉いと思い込むことをこう言った。
「相当馬鹿だし」
「経験もね」
「何もなかったんだろうね」
「あっても気にしなくて」
「経験しているうちにね」
「入らないことだったのね」
「そうだろうね、本当にそうした人になりたくないよ」
達川はまた心から言った。
「人間としてね」
「ええ、本当にね」
一華も頷いた、そしてここで時計を見ると九時だった、それで達川に言った。
「あっ、もう九時ね」
「そんな時間なんだ」
「どうする?まだここで飲んで食べる?」
「一ちゃん明日もバイトだよね」
「ええ、そうよ」
「じゃあこれでね。俺も部活あるし」
それでとだ、達川は応えた。
「それじゃあね」
「ええ、またね」
「今度ね」
「楽しみましょう」
二人でこう話してだった。
お開きとした、そして一華は達川に別れを告げて自分の家に帰ったのだった。
第五十七話 完
2022・10・8
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