暁 〜小説投稿サイト〜
ハッピークローバー
第五十七話 少しでも思うことその三

[8]前話 [2]次話
「それじゃあね」
「喪主もさせてもらえなくて」
「それでね」
 それでというのだ。
「弟さんがね」
「喪主したのね」
「それが凄く不満だったらしいよ」
「いや、不満でも無理だから」
 一華はその冷めきった声と顔で言い切った。
「誰が見てもね」
「そうしたこともわからない人だったんだ」
「いや、そうはなりたくないわね」
 一華は心の奥底から述べた。
「何があっても」
「そうだよね」
「そうなったら」
 それこそというのだ。
「本当に餓鬼とね」
「同じだよね」
「ええ」
 その通りだというのだ。
「そう思うわ」
「そうだよね、何かあらゆるお話がね」
「酷い人ね」
「いいお話が全くないんだ」
「いいところがないってことね」
「献血も一回もしたことないとかね」
 達川はこちらの話もした。
「言われてるし」
「普通一回はしない?」
「これも人助けだしね」
「いざって時の輸血あるといいからね」
「けれどそうしたこともしようと思わないで」
「気付くこともないのね」
「そんな人だからね」
 そうでもあってというのだ。
「もうね」
「いいお話がないのね」
「いいところがね」
 それこそというのだ。
「ないんだ」
「いや、聞けば聞く程そうはなりたくないわね」
「俺もだよ、じゃあお互いにね」
「気をつけないといけないわね」
「どう見ても幸せな人じゃないしね」
「幸せになるには人間性も必要ってことね」
 一華はまたたこ焼きを食べた、そうしてまた言った。
「要するに」
「そういうことだよね」
「そうよね、あまりにも酷い人間性だと」
「幸せになれないよ」
「そうなるわね」
「人間の屑とか餓鬼とか言われる位なら」
 そこまでだと、というのだ。
「もうね」
「幸せになれないわね」
「だから幸せになるには」
「ある程度人間としてよくならないと駄目ね」
「そうした努力もしないとね」
「まあ最底辺の高校でイキってるだけの奴とかね」
 こうした輩もと言うのだった。
「幸せになんてね」
「何か技能を身に着けてもね」
「何処かで更正しないと」
 さもないと、というのだ。
「ドキュンで終わりね」
「世の中のダニだね」
「アウトローの世界でも鉄砲玉になって終わり」
「使い捨てのね」
「そうなるのがヲチね」
「どうしようもない人をどうしようかって思ったら」
 それこそとだ、達川は話した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ