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第四話 神犬その四

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「お聞きしたことはあるわ」
「そうなんやな」
「あの方が貴方のお師匠様ね」
「そや、怒るとめっちゃ怖いけどな」
 空汰は今度は純粋に笑って答えた、二人でビルとビルの間を跳びつつそのうえで話をしていくのだった。
「優しい時はめっちゃ優しいねん」
「出来た方なのね」
「要するにな」
 まさにと言うのだった。
「そうした人やで」
「そうなのね」
「それでな」
 空汰はさらに話した。
「そのじっちゃんに色々教わってや」
「私のことも知ってるのね」
「それが嬢ちゃんとは知らんかったけどな」
 今度はやや真面目な顔で話した。
「それも天の龍の一人やとはな」
「伊勢神宮は天照大神の社よ」
 嵐は前を向いたままこのことを話した。
「それならよ」
「この世を照らす女神様やしな」
「皇室の祖神でもあられるし」
 このこともあってというのだ。
「まさによ」
「この世を護る為にやな」
「立つのも当然よ」
「それでかいな」
「私もよ」
 その伊勢の隠し巫女である彼女もというのだ。
「天の龍の一人であっても」
「当然か」
「そうよ」
 空汰に告げた。
「それもね」
「そういうことか」
「ええ、そして貴方が天の龍なら」
 空汰自身のことを彼に話しもした。
「これからね」
「一緒にやな」
「戦いましょう」
「ああ、あんたに決めたしな」
 空汰はまた笑って今度はこう言った。
「今な」
「決めた?」
「わいは神威を助ける為に天の龍におってや」
 そうしてとだ、嵐に話した。
「おなごを助けてな」
「女の人を」
「そして死ぬってな」
 その様にというのだ。
「じっちゃんに言われたんや」
「女の人をなのね」
「そや、それでや」
 嵐にさらに言った。
「あんさんに決めたわ」
「まさかと思うけれど」
「そのまさかや、あんたを助けてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでや」
「死ぬというの」
「そうするわ、じっちゃんの星見は外れん」
 空汰は前に向き直って言った。
「それだけの腕があるねん」
「高野山の高僧の方だけあって」
「弘法大師様の次位にや」
「星見が出来るのね」
「そやからな」 
 それだけにというのだ。
「絶対にや」
「その占いは外れないのね」
「大師様の占いは外れたことはないが」
 弘法大師即ち空海上人のそれはというのだ。
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