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星河の覇皇
第八十三部第一章 防衛ライン到達その四十三

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「そうしていきますね」
「そうだ、今の無理もな」
 それもというのだ。
「その為だ」
「その全てが」
「全速で急ぐこともな」
「それならですね」
「何としてもだ」
 まさにというのだ。
「この艦で行く」
「出来る限りは」
「不可能を可能にする心構えでな、だが」
 それでもとだ、艦長はこうも言った。
「あくまで艦が今の状況であるだけだ」
「あくまで、ですね」
「やはり二十四時間全速だとな」
「しかもこれまでは戦速ですが」
「それが通常の全速となると」
「戦速は周囲を警戒するからな」
 その様にして進むからだというのだ。
「まだ速度は遅くな」
 同じ全速でもというのだ。
「エンジンへの負担もだ」
「軽いですね」
「そうだが」
 それでもというのだ。
「常に通常で全速となると」
「速度が速くなろうとも」
「その分エンジンへの負担が増える」
「そこが問題ですね」
「そうなる、それでだ」
 だからだというのだ。
「少し不安だ」
「どうにも」
「防衛ラインまで無事であればいいが」
「艦長、防衛ラインまであと少しです」
 航海長がこのことを言ってきた。
「ですから」
「いけるか」
「はい、我が艦隊で最後尾ですが」
「その最後尾でもだな」
「防衛ラインまであと少しで」
「それでだな」
「その距離でエンジンも今の調子なら」
 それならというのだ。
「大丈夫かと」
「だからだな」
「油断は出来ないですが」
 それでもというのだ。
「極めて悲観的になるまでもです」
「ないか」
「そうかと」
「それもそうか。国境での敗北とここまでの撤退がな」
 艦長という責任ある立場でそういったことに接していてというのだ。
「どうもな」
「悲観的にですか」
「私をそうさせているな」
「そうですね」
「少し気持ちを切り替えるか」
 艦長は自分の立場から話した。
「落ち着くか」
「そうしてです」
「艦も動かし」
「施設もです」
 航海長はこちらの話もした。
「していきましょう」
「そうだな」
「そして艦長」
 船務長が言ってきた、今度は。
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