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星河の覇皇
第八十三部第一章 防衛ライン到達その四十

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「それはおいそれと出来ない、少なくとも政治的に私はな」
「その決断は下さない」
「やはり攻撃するのは軍事施設のみ」
「そのことに専念されますね」
「そうする、当時のアメリカは元々そうした戦争をする国だった」
 一般市民を攻撃する戦争をする国だったというのだ、これはネイティブアメリカンとの戦争の時からである。
「流石に今は違うがな」
「あの国も千年程戦争をしていませんでしたからね」
「宇宙海賊の征伐等はしていましたが」
「それでもでしたね」
「あの国も連合の一国ですから」
「戦争からは離れていましたね」
「その中で戦争自体を忘れていたからな」
 だからだというのだ。
「そもそも戦争をしないならな」
「そこも変わりますね」
「どうしても」
「一般市民を攻撃するにしても」
「戦争自体がないことなので」
「変わるしだ」
 それにというのだ。
「しかもだ」
「何もかもですね」
「そこは大いに変わり」
「今ではですね」
「連合軍の中で」
「そうしたことをしなくなっている」
 実際に連合軍は一般市民を攻撃しない、それで言うのだ。
「そこはだ」
「本当にですね」
「変わりましたね、あの国も」
「そうしたところは」
「今の連合では絶対に出来ない」
 一般市民、それが敵対国家の市民であってもというのだ。
「やはりな」
「それはいいことですね」
「そして閣下もですね」
「そうされますね」
「これからも」
「この戦争の後でまた戦うことになろうとも」
 それでもというのだ。
「それは変わらない、ではそのことを徹底させてだ」
「そうしてですね」
「先に進みますね」
「そうしますね」
「そうする」
 こうしたことも話してだった、アッディーンは今は進軍を急がせた。進軍速度はかなりであったがそれでもだった。
 ティムール軍は決死の進軍で自分達の防衛ラインに進んでいた、その為オムダーマン軍は追い付くことが出来なかった。
 だがティムール軍はその状況でも多くの将兵達が険しい顔だった、ある戦艦の艦長が艦橋で周りに言っていた。
「艦隊司令から速度をだ」
「さらに速める」
「そう指示が来ましたか」
「そうだ、全速にするとな」 
 その速度をというのだ。
「お話があった」
「今は戦速の全速ですが」
 それでもとだ、副長が言ってきた。
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