第五十六話 かなり飲んだのでその七
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「その人に物凄く甘やかされて」
「そんな人になって」
「もう四十五十になっても」
いい歳と言われる様な年齢になろうともというのだ。
「甘やかされて」
「そんな人になって」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「駄目になったらしいけれど」
「それでも自分自身もね」
「あんまりだよね」
「経験から学ばないのもあれでしょ」
「そうそう、何でか自分がこの世で一番偉いって」
その様にというのだ。
「勘違いしてね」
「甘やかされてかしら」
「そうじゃない?何処が偉いのかって」
「お話聞いたら思うけれどね」
「勝手にそう思って」
勘違いをしてというのだ。
「それでね」
「そんなこと言って」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「誰の話も聞かなくて」
「注意したらかえって怒って」
「それでどんなことがあってもね」
「学ばなくて反省しなくて」
「最後はね」
「誰からも見放されて」
遂に匙を投げられたというのだ。
「行方不明だよ」
「末路が凄いわね」
「もう死んだじゃないかってね」
その様にというのだ。
「言われてるみたいだね」
「あちらの教会でもよね」
「もう半分いなかった」
「そんな扱いよね」
「あまりにも馬鹿過ぎて」
それでというのだ。
「破滅した」
「そんな人ね」
「いや、この人の話を聞いて」
理事長の家に関係がある話でもあるので学園中に広く知れ渡っている話であるのだ、それで達川も一華も知っているのだ。
「俺怖かったよ」
「人間酷いとね」
「酷過ぎるとね」
「自分がそうなったらって思うと」
「怖いよ」
「そうなるわね、ああはなるまいってね」
その様にというのだ。
「思ってね」
「怖くなるよね」
「ええ、怖いってね」
一華は焼き鳥を食べてから言った。
「幽霊とかお化けとか」
「子供の頃はそうしたものが怖いってね」
「怒ったお父さんやお母さんや先生とか」
「そう思っていたけれど」
「それが増えたわね」
そうなったというのだ。
「そうよね」
「うん、自分が悪いことをしたりね」
「悪い人になるってこともね」
「怖いと思う様になったね」
「ええ、それで知らないものは」
一華は考える顔になって述べた。
「怖いってね」
「そうも思う様になったね」
「怖いものって増えるものね」
「うん、生きてるとね」
「恐怖ね、恐怖は克服出来るけれど」
「それで減るけれどね」
「増えることもあるわね」
こう達川に話した。
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