第五十六話 かなり飲んだのでその二
[8]前話 [2]次話
「本当にね」
「そうだよね、俺だってだよ」
「そうでしょ、結婚もまだまだで」
ろそろ法的には可能でもというのだ。
「そんな風だから」
「子供はね」
「もう遥か彼方よ」
そうしたというのだ。
「それこそね」
「本当にそうだね」
「子供って」
「俺もだよ、結婚も」
このこともというのだ。
「俺はまだだし」
「男の子は十八歳からだからね」
「まだ十六だから」
「なったばかり?」
「うん」
その通りだというのだ。
「そうだよ」
「それじゃああと二年ね」
「二年もあるからね」
十代の頃はこう思う、だがこれは年齢を重ねるにつれてそうは思わなくなる。たった二年とさえ思ってしまうものだ。
「だからね」
「まだまだ先ね」
「そうだよ」
こう言うのだった。
「だから子供はね」
「遥か彼方ね」
「一ちゃん以上にね」
「そう思えるのね」
「うん、何時結婚するかも」
このことすらもというのだ。
「わからないしね」
「そうよね」
「けれど縁があったら」
その時はとだ、達川は考えつつ話した。
「結婚するね」
「若くてもね」
「十九歳でお母さんになって」
そうしてというのだ。
「四十歳でお祖母さんになった知り合いの人いるし」
「四十歳でなの」
「今その人八十八歳だけれどね」
「米寿ね」
「そうなったけれど」
「十九歳で子供出来て」
「それで四十歳でね」
それでというのだ。
「曾孫さもおられるよ」
「そうした人もおられるのね」
「うん、ちなみにこの人のご主人が強烈な人で」
「どんな人だったの?」
「ワンマンで癇癪持ちで趣味人で我儘でね」
「何か凄い人ね」
「面倒見はよくても凄くせっかちで」
そうした人でというのだ。
「強情で倫理観しっかりしていて」
「いいところと悪いところ両方あったのね」
「もうずっと話題になる様な」
「そうした人なの」
「今九十だけれど」
それでもというのだ。
「まだまだお元気だよ」
「ご主人が凄い人なのね」
「そうなんだよね、奥さんは大人しくて優しいけれど」
「ご主人は強烈なのね」
「けれど凄く好かれてるよ」
「面倒見がいいから?」
「ご家族からは何かと横暴なお話が出るけれど」
それでもというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ