257 武則天の側近
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杯の所有者を生け捕りにしたのだとかよ子は仮説を立てた。さらに出発前に長山の眼鏡で確認してもらった所、藤木は温泉で女の子と戯れていたという。
(藤木君、あの時笹山さんに嫌われたから他の女の子を好きになろうと乗り換えて、それでりえちゃんを・・・!!)
笹山かず子。彼女は異世界に飛び込み、藤木を探しに向かっていた。彼女は異能の能力の持ち主ではない為本来ならば「この世界」での戦いでは非戦闘員である。だが行方不明になった藤木茂が嘗て好きになってい人という事で彼を奪還する為の重要な鍵としてフローレンスから特例を受けて今この場にいる。そして武則天という人物と出会い一人では心細いであろうという事から彼女の側近である姚崇と張説という人物を付き添わせ、移動にはヘンリーという人物から貰った自動運転の自動車を使用していた。
(藤木君・・・)
笹山はフローレンスから渡されたボールペンのような道具を見る。この道具こそ藤木の奪還に貢献できるとされる物だった。仮に彼女が元の世界に留まる事を選んでいたとしてもこの道具が重要なアイテムとして使用されるとフローレンスは言っていた。
「はあ・・・」
笹山は長時間の移動で眠くなってしまっていた。
「疲れたろう。少し眠ってもよいぞ」
姚崇は声を掛けた。
「は、はい・・・」
「何、敵が来たら我々で返り討ちにするさ」
張説も笹山を安心させようとして言った。
「そ、それでは・・・」
笹山は眠りについた。
紂王の屋敷。結婚式を終え、二人の部屋を用意された藤木とりえはその場にいた。そこには藤木が彼女のピアノをまた聴きたいという要望からりえ専用とされたピアノが置かれていた。りえはそこで藤木の要望でピアノを弾く。久々に鍵盤をいじるからか、コンクールの練習をしていた時や夏休みに清水の教会でピアノを弾いた時を思い出した。弾いている曲は得意とする「亜麻色の髪の乙女」だった。
「やっぱり、りえちゃんはピアノ、凄いよ!」
藤木は思わず感激の拍手をした。
「あ、ありがとう」
「やっぱりりえちゃんは乙女だね!他の曲って弾けるかい?」
「うん・・・」
りえは別の曲を弾いた。バイエルの曲や誰もがよくしっているような童謡などを弾いた。
「やっぱりピアノを弾ける女の子は最高だな〜?笹山さんもピアノ上手だったし・・・」
「ササヤマさん?」
「え?あ、何でもないんだ。ごめん、ごめん!」
藤木はなぜ昔の事を思い出してしまったとばつが悪そうになった。
(もう笹山さんの事は忘れたんだ。今はりえちゃんを好きにならないと!!)
「そうだ、僕はピアノどころか楽器は何もできないけどスケートは得意なんだ!雪が溶けないっていう山に氷の泉があるから今度そこ行って見せてあげるよ」
「う、うん・・・
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