第五十五話 本当の勇気その十五
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「凄く徳があって」
「人格的に素晴らしい」
「そんな人にならないとね」
「そうしたことは出来ないわね」
「布施餓鬼なんてね」
この行いはというのだ。
「本当にね」
「何でもない様だけれどね」
「出来たら」
「凄いね」
「餓鬼がどういった人がなるか」
「そのことをわかっていて」
そのうえでというのだ。
「出来たらね」
「凄い人ね」
「俺には無理だから」
達川は自分から言った。
「流石にね」
「私もだしね」
一華も言った。
「自分が軽蔑しきっている人がね」
「そうなってると思うと」
「絶対にいやよ」
「ただ嫌いなら兎も角」
「そこに軽蔑もあるなら」
「尚更ね」
「出来ないわね」
「もう勝手に苦しんでろって」
その様にというのだ。
「思って」
「それでね」
「絶対にだよ」
それこそというのだ。
「出来ないよ」
「そうしたものね」
「そう思うよ、本当に出来たら」
「その人は凄い人ね」
「かなりの人格者だよ」
一華に飲みつつ話した。
「餓鬼は軽蔑される人がなるけれど」
「布施餓鬼が出来る人はね」
「尊敬出来るよ」
「本当にね。それでそうした人は」
布施餓鬼を行うことが出来る様な人格者はとだ、一華は深く考える顔になってそのうえで達川に話した。
「自分が偉いとはね」
「言わないね」
「そうよね」
「大したことはしてないって言って」
「尊敬しろなんてね」
自分自身をというのだ。
「絶対によ」
「言わないよ」
「そうよね、そんな人になれたらいいわね」
ビールを飲みつつ言った、そうしてだった。
夏祭りの夜をさらに過ごしていった、祭りはまだ続くのだった。
第五十五話 完
2022・9・23
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