第五十五話 本当の勇気その九
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「本当にね」
「そうよね」
「努力していた人だから」
「何か最初凄い叩かれたのよね」
「マスコミにね」
それこそ寄ってたかってであった。
「それでもね」
「腐らないでなのね」
「努力して」
そうしてというのだ。
「結果も出して見てもね」
「これはっていう人よね」
「そうだってことが皆わかって」
そうなってというのだ。
「そしてね」
「あの人の評価は高くなったのよね」
「投げる不動産やとか呼ばれたよ」
かつてはというのだ。
「女性問題とか借金とかね」
「色々あったのね」
「登板日漏らしたとか」
「そうしたお話もあったの」
「もう何かとね」
それこそというのだ。
「悪いお話にはこと欠かない」
「そんな人だったの」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「そもそも入団の時が酷かったし」
「あれよね、大学に行くと言って」
「どうも裏で巨人が物凄く説得して」
「巨人に入ったのよね」
「そうだったしね」
「悪いイメージがあって」
「今話している人とは正反対に」
番長と言われて悦に入っていた彼とは、というのだ。
「ドス黒いイメージだったんだ」
「そのことも今じゃ信じられないわね」
一華は話を聞いて述べた。
「私にとっては」
「皆そうだと思うよ」
一華だけではないというのだ。
「今はあの人清潔なイメージあるよね」
「悪いイメージはないわ」
一華にしてもだ。
「全くね」
「理知的で紳士的で」
「落ち着いていて真面目でね」
「それがなんだ」
「最初はそんなイメージで」
「評判最悪だったんだ」
悪いどころかというのだ。
「そうだったんだ」
「それが今では」
「完全に逆転したね」
「お二人共ね」
「同じ高校で」
それで甲子園で活躍した、一方は四番でもう一方はエースとして。尚エースだけでなく五番バッター^として打撃もかなりよかった。
「同じ年齢で」
「同じドラフトでプロに入って」
「一時同じチームにいたけれど」
その巨人にだ。
「二人はね」
「全く違う評価だったのね」
「それぞれの時期でね」
「不思議なことね」
「うん、けれど評価はね」
周りからのそれはというのだ。
「二人の場合それぞれの行いがね」
「そのまま出たのね」
「評判って噂で上がったり下がったりもするけれど」
「やっぱり本人さんの行いよね」
一華はたこ焼きを食べつつ言った、はふはふとしながら食べている。
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