第五十五話 本当の勇気その六
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「野球選手が格闘家の練習とかしてもね」
「駄目だって」
「意味がないどころか」
「怪我が多くなって」
「有害だってね、あの人の筋肉なんて」
それはというと。
「自慢していたけれど」
「違う筋肉だったのね」
「野球とはね、それで強いとか言って番長と言われて」
やはり周りにだ。
「得意になってるなんて」
「どういった頭の構造かって思うわね」
「こんなことした選手そうそういないと思うよ」
達川は焼き玉蜀黍を食べつつ話した。
「日本のプロ野球でね」
「そうよね、私もあの人見てね」
「おかしいって思うよね」
「だってファッションヤクザ屋さんだし」
そうした風でというのだ。
「入れ墨まで入れて」
「おかしいよね」
「入れ墨なんて入れないわよ」
一華は顔を顰めさせて言い切った。
「まともな人はね」
「そう、まずしないよ」
「そうよね」
「最近アスリートの人で入れたりするけれどね」
「やっぱり普通はよね」
「入れないからね」
そうするからだというのだ。
「ましてやあの人アスリートのファッションじゃなくて」
「そっちの筋よね」
「余計におかしいよ」
「それも周り止めなかったのね」
「それでどんどんおかしくなって」
そうしてというのだ。
「ああした風にね」
「なったのね」
「もう節制もしないし」
「そういえばそのせいか太ってるわね」
「あの太り方はまずいよ」
達川はどうかという顔で述べた。
「本当にね」
「そうよね」
「色々やってきてあの太り方だから」
不摂生な生活を送ってというのだ。
「絶対に長生きはね」
「出来ないわね」
「そうだと思うよ」
「糖尿病だし」
「それもかなり深刻なね」
本人が言うには血糖値が九百はあったという、これは即刻入院させられるまでに危険な高さである。
「どう考えても長くはだよ」
「生きられないわね」
「そうした意味でもね」
「馬鹿よね」
「そう言うしかないよ」
まさにというのだ。
「あの人は」
「昔は違ったのよね」
「全くね、外見だってね」
こちらもというのだ。
「その頃の二十代の人のファッションだったのが」
「ああなったのね」
「人相なんてね」
こちらはというと。
「驚く位にね」
「変わったわね」
「巨人に入ってから」
西武からだ、このチームに所属している頃はまともであった。
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