第八十二話 合宿を前にしてその二
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「不思議ね」
「何か部活を強くさせることに必死で」
それでというのだ。
「試合一回戦負けだと自分はしないで生徒全員丸坊主にしたとか」
「それも有り得ないし」
副部長はまたこう言った。
「ちょっとね」
「丸坊主はですか」
「それ自体はまだあっても」
それでもというのだ。
「自分はしないのがね」
「それがですか」
「ないでしょ」
こう言うのだった。
「ちょっとね」
「それがですか」
「ええ」
まさにとだ、副部長は咲に答えた。
「こうした時は自分が真っ先によ」
「丸坊主にしますか」
「だって負けたのはね」
そうなった原因はというのだ。
「自分の指導が悪いからでしょ」
「だから生徒全員に活を入れる以前に」
「自分が反省してよ」
それでというのだ。
「丸坊主にすべきよ」
「それで丸坊主にした生徒少ないって怒ってまた暴力振るったそうです」
「それ碌な先生じゃないわね」
副部長は心からこう言った。
「いや本当に」
「やっぱりそうですか」
「ええ、どんな偉そうなこと言ってもね」
口ではそうでもというのだ。
「一切ね」
「一切ですか」
「そのお話聞くことはないわ」
「そうですか」
「どう考えてもね」
そうだというのだ。
「私そう確信するわ」
「そうですか」
「だからね」
それでとだ、副部長は咲に話した。
「その先生が顧問の部活はね」
「入ったら駄目ですか」
「どうせ部活を強くしたいことも」
このことに必死である理由もというのだ。
「自分の得点になるからよ」
「それで必死なんですね」
「そう、それでね」
「そんな先生が顧問の部活はですね」
「絶対にね」
「入ったら駄目ですね」
「入ったら不幸になるわよ」
副部長は言い切った。
「確実にね」
「暴力受けたりして」
「ええ、しかしそんな先生がやっていけるのね」
「東京でもでしょうか」
「どうかしら、東京も酷い先生多いし」
日本で最もおかしな人間が多い職業かも知れない、兎角日本では学校の教師は問題のある人物が多いのだ。
「奈良県もね」
「いてもですか」
「おかしくないわ、しかしね」
「しかし？」
「奈良県はそんな先生がクビにならないのね」
副部長は心から引いた顔になって述べた。
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