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星河の覇皇
第八十三部第一章 防衛ライン到達その三十二

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「アウトカースト層一千億をだ」
「今以上にですね」
「進出させてだ」
 マウリア社会にというのだ。
「権益を確保してな」
「そうしてですね」
「豊かさもだ」
 経済的なそれもというのだ。
「よりだ」
「手に入れたい」
「そう考えているからな」
 それ故にというのだ。
「彼はだ」
「サハラにですか」
「攻め込むこともだ」
「考えていますか」
「その可能性がある」
「統一した後は」
 バヤズィトがここで言うことはというと。
「まだ国家が固まっていない」
「そうだな」
「まさに狙い目ですね」
「ジャバル副主席はそれはわかっている」
 軍事的才能はなくともというのだ。
「政治としてだ」
「このことはですね」
「当然のことだからな」
「国家の基盤ですね」
「統一の後はな」
「それを固めることが重要ですね」
「若しそれを怠るとだ」
 その時はというと。
「国は滅びる」
「統一してもですね」
「千年の戦乱の後でそれを果たせてもだ」
 サハラの悲願であるそれを果たしたとしてもというのだ。
「同じだ」
「折角の統一がですね」
「それで終わる」
「再び分裂しますね」
「中国の王朝でもあったな」
「晋等ですね」
 ラシークが言ってきた。
「ああした国も」
「そうだ、統一し基礎を固める時にな」
「それをしなかった」
「晋はまず皇帝が宮中に入り浸る様になった」
 司馬炎がそうしたのだ、彼の代で統一はなったがそこで彼は目的を見失ったのかそうなってしまったのだ。
「そしてだ」
「政務を疎かにした」
「そして次の皇帝の代にだ」
「大乱が起きましたね」
「八王の乱がな」
 皇族達がそれぞれ兵を挙げて大規模な内乱となった、それこそ誰が何をしたのかわからないまでの大乱であった。
「それが起こってだ」
「晋は木曽を固められず」
「それどころか国が荒廃してな」
「滅亡しましたね」
「異民族に攻められてだ」
 しかも皇族達が雇った兵達が異民族だったから余計に始末が悪かった、皇族達は彼等に略奪も許したので国土も民衆も戦乱に加えてそちらでも荒廃したのだ。
「そしてだ」
「滅びましたね」
「愚劣な例だが」
 歴史におけるそれだというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「地盤固めは忘れてはならないが」
 サハラにしてもというのだ。
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