第五十四話 夏祭りその十三
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「当時のオーナーが突っ撥ねて」
「チーム守ったのよね」
「ダイエーの中内さんがね」
「ダイエーは今ね」
「なくなったも同然だけれどね」
「あの人最後の最後でね」
「輝きを見せたんだよ」
尚中内オーナーはこの騒動の一年程経ってからこの世を去っている、最後の最後で漢を見せたうえで。
「チームを守ってね」
「ファンの人の想いもね」
「守ったんだよ」
「そうよね」
「そうした人もいたけれど」
「やっぱりチームを潰そうとする人いるのね」
「世の中にはね、私利私欲でね」
公なぞ考えずにだ。
「それでだよ」
「悪い奴がいるものよね」
「そうした人達もいるから」
「何時どのチームがなくなるか」
「阪神だってね」
日本一のファンの数と強さを誇るこのチームもというのだ。
「おかしな動きあったし」
「何かファンドが動いたのよね」
「その時も変な人が動いて」
そうしてであったのだ。
「危なかったんだよ」
「そんな話もあったね」
「うん、だから何時どのチームにそんなピンチが訪れるか」
「わからないわね」
「それでそんな時若し一人でも」
「戦えるか」
「家族に何かがあって」
達川はこうも言った。
「その場合もね」
「一人だからといって」
「何もしないでいられるか」
「家族やチームに何かあって何もしないなら」
それならとだ、一華は言った。
「へたれっていうかね」
「屑だよね」
「どうしようもない奴だよ」
「そうだよね」
「そんな時は一人でも」
周りに味方が誰もおらずとも、というのだ。
「やっぱりね」
「戦うものだよね」
「ええ」
一華もその通りだと答えた。
「そう思うわ」
「さもないとね」
「大切なものもね」
「守れないよ」
「そうよね」
「その人はね」
達川は真顔で話した。
「俺になんだ」
「そうした時はなのね」
「立ち上がる人になれってね」
「そう言いたかったのね」
「そうなんだ」
まさにというのだ。
「それが本当の勇気だってね」
「一人でも何かを守りたいなら」
「自分の大事なものをね」
「立ち上がって戦う」
「それがね」
そうした行為がというのだ。
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