第五十四話 夏祭りその十一
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「私達だってね」
「一緒なんだ」
「ええ、一人だけだと」
それならというのだ。
「とてもね」
「やっていけないんだ」
「ええ」
そうだとだ、達川に話した。
「絶対にね」
「そう言われたら俺もだよ」
達川もそれならと答えた。
「野球だってそうだしクラスでも家でも」
「一人だと生きてけない?」
「下の妹なんかまだ五歳でさ」
一華に笑って話した。
「本当に何もだよ」
「出来ないの」
「最近色々出来る様になって親父とお袋が言うには五歳とは思えない位だっていうけれど」
「それでもなの」
「俺から見たら」
「最近やっとなのね」
「出来る様になったよ、立ってしっかりと歩けて」
そうなってというのだ。
「言葉もしっかりしてきたし」
「五歳になって」
「本当にそれまでは」
それこそというのだ。
「何も出来なかったよ」
「子供だから」
「それで一人だと」
「何も出来ないとね」
「生きられないよね」
「子供が一人で生きられるとか」
それも五歳かそこいらのとだ、一華も言った。
「まずね」
「無理だね」
「絶対にね」
「俺もそう思うよ、生きるだけでも」
「一人じゃ無理ね」
「野球だって出来ないし」
それにというのだ。
「生きることだってだよ」
「出来ないのね」
「それが人間だろうね」
「そうね、絶対に一人だとか」
そうした状況はというのだ。
「絶対にね」
「無理よね」
「そうに決まってるよ」
まさにというのだ。
「俺もそう思うよ」
「そうよね」
一華もその通りと頷いた。
「やっぱり」
「そうだね」
「一人でも戦わないといけない時もあるって」
こうも言った、ここで。
「言うけれどね」
「そんな場合もあるのね」
「これ親戚の人に言われたんだ」
達川は唐揚げを食べつつ話した。
「一人しかいなくても何とかしないといけないとか思ったら」
「そうした時はなのね」
「例えば自分が応援している野球チームが潰れそうで」
そうした状況に陥ってというのだ。
「何とかしないとね」
「チームは潰れるのね」
「自分が好きなチームがね」
「そうした状況なら」
「俺言われたんだ」
その親戚の人にというのだ。
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