第三話 巫女その十
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「俺の考えは変わらない」
「あくまでなのね」
「そうだ、何度も言うがな」
「人の考えは変わるわ」
嵐は静かな声で答えた。
「特に運命が関われば」
「また運命か」
「知っていて、運命は貴方もよ」
神威もというのだ。
「包んでいるわ、そしてよ」
「俺はその運命にか」
「従うことよ」
「そんなこと知るか、運命があったとしてもだ」
神威は今度は強い声で言った。
「俺は自分の手でだ」
「運命を切り開くの」
「そうしてやる、全てが決められているなんてことはだ」
「ないというのね」
「あるものか、運命は自分自身でだ」
「作るものだというのね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「何が決められている、まだ何もだ」
「決まっていないのね」
「そうだ、だからだ」
それ故にというのだ。
「俺は俺の力でだ」
「進んでいくのね」
「そうする、天の龍も地の龍もな」
全く、そうした言葉だった。
「関係ない、だからだ」
「来ないのね」
「そういうことだ、ではだ」
「これでなのね」
「去る、ついて来るな」
こう嵐に告げてだった。
神威はその場を後にした、その彼を見送ってだ。
嵐はその場を後にした、そして丁の前でだった。
彼に神威のことを話した、すると丁はこう言った。
「やはりですか」
「こうなることはですか」
「はい」
まさにという返事だった。
「夢で」
「そうでしたか」
「彼が来ることを望みます」
丁は自分の望みも述べた。
「ですが」
「それはですか」
「やばりです」
どうしてもというのだ。
「まだです」
「先のことになりますか」
「若しくは」
「地の龍になるか」
「どちらかです」
こう言うのだった。
「まさに」
「そうですか」
「若しです」
丁はさらに話した。
「彼が天の龍になればです」
「世界は救われますか」
「はい、しかしです」
「逆に地の龍になれば」
「世界は滅びます」
「どちらかですか」
「そしてどちらの運命でもです」
天の龍になろうとも地の龍になろうともというのだ、丁は嵐に対して悲しい顔をしたまま話していった。
「神威は過酷な道を歩みます」
「そうなるのですか」
「そうです、それは避けられません」
「ではどちらでも」
「彼には辛い未来が待っています」
そうなるというのだ。
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