暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
隠せぬ動揺
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
ストップ。一、二塁で止めることができた。

「よ……よかった……」

ホッと一安心したものの、そんな状況ではないことにすぐに気が付く。ただでさえも出したくなかったランナーが二人……しかもいまだにノーアウト……言うまでもなくピンチだ。

(ヤバい……これはヤバい……)

続き清原さんは打席に入るとすぐにバントの構えを見せる。ただ……これを信じていいものなのか。

(またバスターの可能性もあるし何ならプッシュバントで出塁を狙ってくる可能性もある……何が正解なんだろう……)

タイムを取ればいいものを冷静さを失っていた私はその考えに至らない。そしてその不安がみんなにも伝染してしまったのか、誰も間を置こうとしなかった。
















第三者side

「莉愛!!」

動揺を隠しきれていない莉愛を見て指揮官が立ち上がりタイムを取ろうとする。しかし彼女はそれに気が付かず、さらにはチャンスの場面で盛り上がる桜華学院の応援団の声により審判にも彼の声は届かない。

コッ

ランナーが二塁にいるため優愛はチャージをかけることはできない。そのため葉月が投球と同時にダッシュを試みるが、それすらも彼らは見抜き、狙っていた。

「あっ……」
「しまった!!」

三塁側へ降りる瑞姫。一直線に突っ込む葉月。その二人を嘲笑うように仕掛けられたのは彼女たちがもっとも警戒していたはずのトライアングル。

「くっ……」

ベースカバーに向かおうとしていたところでのこのプレーに紗枝は苛立ちを覚えながら捕球することしか叶わない。ランナーはそれぞれ進塁し、バッターも一塁を駆け抜ける。

「クスッ……まさかここまでの舞台が出来上がるたァ……思ってなかったな」

予想以上の状況に笑みが溢れてならない青年。そしてこの最高の場面で打席に向かうエースもまた、余裕の笑みを浮かべていた。

「今日の主役はソフィアかなぁ♪」

鼻歌交じりで打席に向かうソフィア。勝利を確信する桜華と呆然自失の明宝。対極の精神状態の両チームの最後の攻防が始まる。




[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ