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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
隠せぬ動揺
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コソコソ話している二人の肩を叩いたのは今野。周りの……特に大河原に聞こえないような声で話しかけた後、彼女の横を指さす。

「望美起きなくて……でも瞳さんにバレると後が怖いから……」
「こいつ……本当に自由だな」

前の試合の疲れもあるのだろうが、大事なデータ収集の場で完全に今野にもたれ掛かっている少女にため息が漏れる。

「おい……起きーーー」
「コラァァァァァ!!朝だぞぉぉぉぉ!!」
「「「「「!?」」」」」

ただでさえ機嫌が悪くなっている大河原を刺激しないようにと穏便に起こそうとした大山だったが、横にいた笠井がわざとらしい大声で周囲に聞こえるように鎌倉を起こす。

「んにゃ……あと5分」
「いや……これは起きた方がいいぞ?」
「くふふふ……瞳ちゃんめっちゃ怒ってる……」

なおも起きようとしない鎌倉、大河原の表情の変化に気が付いた焦る大山、思惑通りの展開に大爆笑の笠井。三者三様のリアクションを見せる中、笠井と鎌倉の頭を掴む。

「集中して試合を見ろ、わかったな」
「は……はい」
「ご……ごめんて」

低音ボイスに恐怖を覚えた二人は解放された後も顔面蒼白で震えていた。そして他の少女たちも切れかけていた集中力を高め試合へと向き合っていた。

















「一人出たら面白ぇよな」

ベンチ前で素振りをしていた三人の少女たちを呼び寄せるカミューニ。彼のその言葉の意味をすぐに理解した少女たちはニヤリと笑みを浮かべる。

「確かにこのチームはソフィアとリュシーが中心だ。だが、あいつらだけじゃここまで来れるわけがない。お前らの力がなけりゃ勝利の理論も使えないんだからな」

彼の勝利への理論はチーム力が物を言う。一人一人に確実な力がなければ机上の空論になってしまう。

「行ってこい!!お前らの力を示してこい!!」
「「「はい!!」」」
















莉愛side

打席に入る丸メガネの少女。ここまでの打席成績は二打席とも凡退。ただ一打席目は次の回の攻撃のための伏線だったことを考えるとほとんど参考にならない。

(しかも日帝大戦ではあのトライアングルで大量得点のきっかけを作った。もしこの人が塁に出たら大変なことになっちゃう)

この回は三人で終わる以外に次の攻撃に繋げる道はない。瑞姫の体力もキツいだろうけど、ここは頑張ってよね。

初球はスライダーのサイン。引っかけたのかワンバウンドになったボールを受け止め球審にボールの交換を求める。

(低めはいいよ。浮かないように気を付けて)

まだボールに力はあるみたいだしストレートでカウントを整えよう。コースは甘くてもいいから
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