暁～小説投稿ｻｲﾄ～:DOREAM BASEBALL ～夢見る乙女の物語～　隠せぬ動揺

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DOREAM BASEBALL ～夢見る乙女の物語～　

隠せぬ動揺
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第三者side

ｶﾞｷｯ

2ストライク1ボールからの4球目、優愛の当たりはセカンドへのボテボテのゴロでアウト。打ち取られた彼女の表情はいつもと異なり悔しさに染まっている。

（確かにわずかに芯を外されてる……これじゃあ打ってもヒットにはならない……か）

言われてから見ればそんな気がする程度の違和感。これに気が付けと言う方が無理な話だと葉月は感じていた。

（でもこれってどう捌くのが正解なのかな？ゾーンに来るムービングもあるしボール球を無理矢理打つのはバッティングフォームも崩れてヒットになりにくい）

モヤモヤした気持ち、纏まらない思考、そんな中打席に立ってしまっては好打者の葉月でも捉えることはできない。

ｷﾞﾝｯ

「くっ……」

鈍い音をたてた当たり。サードへの弱い当たりで内野安打もあり得るかと思われたが、ソフィアがフィールディングの良さを見せギリギリアウトにする。

「2アウト！！」

リードが広がりこの回も残すアウトは1つ。どよめく会場とは真逆に桜華学院はますます活気に満ちていた。

（頼む、澪）

打撃に定評があり指名打者に入っている澪。ネクストには代打のためか恵がバットを振り準備に入る。

（まだ代打の要がいるのかよぉ……でも、意味ないんじゃない？その準備……少なくともこの回は）

ｷﾝｯ

捉えたかに思われた打球。しかし定位置を守っていたレフトが数歩前進しこのフライを捕球する。

「うわぁ……渡辺からの攻撃で三者凡退はデカイなぁ」

そう言ってから慌てて口を塞ぐ笠井。ずっと意識していたライバルたちの苦戦に心中穏やかでないと思われた大河原に視線を向けるが、彼女は膝に肘を付きただ静かに試合を見つめている。

「リュシーと打ち合うのも面白いかもしれないな」
「それ私が打たれる前提になってない！？」

大河原の言葉に後藤が怒りを露にする。しかし彼女は冷めた表情で立ち上がった彼女を見上げる。

「今日みたいなピッチングしたらそうなりかねないぞ、理沙」
「うぐ」

準決勝で途中降板した彼女は言い返すこともできず椅子へと戻る。決勝を控えているとは思えないほどのギスギスした雰囲気。明宝との対戦を楽しみにしていた少女たちからすればそれも仕方ことのように思える。

「さすがに無理っぽい感じかな？」
「最終回で3点差。しかも明宝は下位からなのに桜華は一人出たらまたあいつらに回っちゃうからね」

このチームの中軸を担う二人。ランナーが一人でも出た時点で彼女たちに回ることを考えるとさらなる失点すらあり得る。その事は笠井と大山以外のほとんどのメンバーが気が付いていた。

「あの～」
「ん？どうしたの？

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