やっぱり僕は歌が好き 第十九楽章「この場にある物」
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哀の声が聞こえてくる。
金庫とその中身は所持品ではないので、もう陛下の物になったワケですから、気持ちも解らないでもない。
キィッという高い音と共に金庫の扉を開けると、そこには大量の札束が!
「おぉ、貯め込んでるなぁ」
「ザッと300万〜400万Gはあるんじゃないッスか?」
さ、300万〜400万G!?
「お前等、僕に黙って一旦立ち去ろうとしてたって事は、後で戻ってきて金を回収しようって算段だったんだろ?」
「残念だったなぁ(ゲラゲラ)」
流石は陛下……と感じる一方で、悪魔の様な表情で笑うクズ宰相に若干の苛つきを感じる。
「そ、それを奪われたら俺達は如何やって生きていけば良いんだよ!?」
「如何やってって……真面目に働けよ」
当然の事である!
「でもリュk……ゲフンゲフン、プーサン社長。こいつら額に変なタトゥー入ってるから、一般的な仕事に有り付くのは難しいんじゃないッスかねぇ?」
このアホ……今、陛下の正体を言いそうになったぞ!
「そんな事は知らん。それよりお前のデコにも、コーヒーでタトゥー彫り込むぞコラ!」
陛下もイラッとしたのだろう。
金庫の中を漁りながら、冷たく言い放つ。
「お、有ったぞ」
自身の額を両手で隠す素振りのクズ宰相を横目に、金庫の中の札束を机に移して何かを発見した陛下。
何だろうか?
「この土地と建物の権利書……大至急所有者を僕に書き換えておいてよ、デコナンバー48番(仮)」
「や、やっとくから……俺にまで番号を割り振るな! おら、お前等も出て行けよ!」
権利書を陛下から受け取ると、絶望に打ち拉がれているブラパンメンバーに蹴りを入れて、一緒に出て行くナンバー48番(仮)。
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暫く陛下とコーヒーを飲みながら、今日の事について語り合って(確認して)いると、外から「ごめんくださ〜い」と男の声が聞こえる。
ここは先刻までギャング団のアジトだった場所だし、その手の人間がやって来たと思い、意識と視線を出入り口方向に向けていると……
「おっと、思ったより早く来たな。アイリーンちゃん、申し訳ないんだけども、お客さんをここまで案内してくれるかな?」
と言われ、焦ってしまう。
とは言え陛下の指示ですから、断るわけにもいかないし……何より陛下の指示なのだから、危険であるはずはない!
努めて笑顔で……でも慎重に入り口へ向かい、扉を開けて訪問者を確認する。
するとそこには普通のオジサンと大きめの木箱を複数台車にて運んできた作業着の人々が!?
兎も角も陛下の指示に従い、この人達を室内へとお通しする。
「やぁ……思ったより早かったね」
そう爽やかに応えたのは、変装を解いた
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