第52話:父親
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ちゃん」
「うん。はやてちゃん」
はやての言葉を聞いて,なのはは少し元気を取り戻したようだった。
「でも,これで考えないといけないことが一つ増えたんじゃないかな?」
少し俯いて考え込んでいたフェイトがおもむろに口を開いた。
「というと?」
俺がフェイトに尋ねると,フェイトは俺の方を見た。
「ヴィヴィオを保護した時の戦闘で,ヴィヴィオとレリックを乗せたヘリが
スカリエッティの戦闘機人に狙撃されたでしょ?
あれの狙いは何だったのかな?」
「レリックか,ヴィヴィオか,それとも両方か。やね」
「うん。その答えによっては今後の捜査の方向性も変わってくるし」
「なら,両方と考えるのがいいだろうね。ヴィヴィオ,というよりも
聖王のクローンを手に入れることによって何をしようとしているのか?
その答えを探す必要があるな」
「あとは,それとレリックがどう関係するのかやね。
フェイトちゃんはその線で捜査を進めてくれるか。
あと,ゲオルグくんもシンクレアくんと協力して情報収集をよろしく」
「「了解」」
「それと,今回のことが分かった以上ヴィヴィオの周辺警護は
強化せなあかんやろね。前線メンバーが出動する時も,今までみたいに
全員出動!ってわけにはいかんやろ。隊舎に残す戦力にも気を使わんと」
「なら,出動時には俺が必ず隊舎に残るってのはどうだ?
俺なら,はやての代役としての指揮官の役割も果たせるし一石二鳥だろ」
「ゲオルグくんにはこれからも前線指揮官として働いて欲しかってんけど,
しゃあないな。それでいこ。
あと,ザフィーラには絶対にヴィヴィオから離れんように言っとくわ。
とりあえずそんなとこか?」
はやての言葉に俺とフェイトは頷いた。
部隊長室を出た後,ちょうど昼ということで寮に戻るというなのはとフェイトに
ついて行くことにした。
寮の前に来ると,寮母のアイナさんと芝生の上で遊んでいるヴィヴィオを
見つけた。
俺達が近づくと,ヴィヴィオの方も俺達に気づいたようで笑顔で駆け出した。
が,途中で足をもつれさせて転んでしまった。
顔を上げたヴィヴィオは泣きそうな顔をしていた。
それを見た俺はヴィヴィオのほうにゆっくりと歩いて近づくと
ヴィヴィオの1mくらい手前で足を止めて膝をつくとヴィヴィオの目を見た。
「ヴィヴィオ」
俺が声をかけると,ヴィヴィオは色の違う両目に涙をためて,俺の方を見た。
「ゲオくん?」
ヴィヴィオはなぜか俺のことをゲオくんと呼ぶ。
なのはがそれを聞いて大笑いしていたのだが,理由は今もよくわからない。
「ヴィヴィオは強い子だから泣かないよな?」
俺がそう言
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