第二百七十九話 蘇る世界その一
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第二百七十九話 蘇る世界
英雄達は空船で天高く上がった、そしてだった。
上から世界を見た、だが。
「まだな」
「そうだな」
英雄は久志に応えて言った。
「出て来ていないな」
「ああ、しかしな」
「もうすぐだ」
英雄は確信を以て言った、皆空船から海を見下ろしている。
「出る筈だ」
「そうだよな」
「あいつは嘘を言っていない」
クトゥルフはというのだ。
「間違いなくな」
「普通ああした時に嘘は言わないな」
「人もでな」
「神は特にだな」
「神も時として嘘を吐くが」
「あんな時にはな」
「吐く筈がない」
「そうだよな、じゃあな」
「待つのも大事だな」
英雄は隣にいる久志に言った。
「そうだな」
「ああ、それはな」
久志も否定しなかった。
「その通りだな」
「だからな」
それでとだ、英雄はさらに言った。
「今はだ」
「待っていればいいか」
「焦ってもだ」
例えそうしてもというのだ。
「仕方がない」
「焦りは禁物だな」
「わかっているな、それは」
「政でも戦でもな」
そのどちらでもとだ、久志も応えた。
「焦るとな」
「しくじるな」
「我を忘れて焦ってな」
そうしてというのだ。
「それでしくじるなんてな」
「愚かなことだ」
「そうだよな」
「焦って何かが出来るならだ」
英雄はこうも言った。
「好きなだけだ」
「焦ればいいな」
「そうだ、しかしな」
「焦るとな」
「周りが見えなくなり勝手に暴走もしてだ」
そうしてというのだ。
「しくじる」
「そうだよな」
「何度言っても焦る馬鹿もいる」
「いるな、それでしくじってな」
「とんでもないことをやらかしてだ」
そうしてというのだ。
「そして責任を自覚しないかだ」
「逃げるな」
「そんな馬鹿を見るとな」
それならというのだ。
「わかるな」
「ああ、そんな奴になる位ならな」
「ここにいられるか」
「今な」
「その筈がないな」
「だよな、それじゃあな」
「待つことだ」
英雄はまたこう言った。
「いいな」
「そうするな」
久志もそれならと応えた。
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