第五十二話 体力があるのでその十二
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「もう物々交換よ」
「何かヒトラー出て来る前のドイツもそうよね」
「そう、世界恐慌でね」
歴史の授業での知識も話した、中学二年の授業においてこのことは聞いていてテストにも出たのでよく覚えているのだ。
「それでね」
「あの時のドイツもとんでもないインフラで」
「そうなっていて」
「お金なんてね」
「やっぱり紙屑だったのね」
「そうなってね」
それでというのだ。
「それまで貯金していたのに」
「それが全部パーになったの」
「そうよ、お金は絶対かっていうと」
「違うのね」
「そのこともわかっておいてね」
こう言うのだった。
「お金は大事だけれど」
「場合によって紙屑になるのね」
「そうなのよ」
「ううん、今の日本じゃ価値があっても」
「それでもね」
これはというのだ。
「時と場合によってね」
「紙屑になるのね」
「そんなものでもあるのよ」
「ううん、そうなって欲しくないわね」
「私もよ」
理虹もこの考えは同じだった。
「やっぱりね」
「お金は大事な方がね」
「いいわね」
「さもないと」
それこそというのだ。
「ジンバブエとかその時のドイツみたいにね」
「無茶苦茶になるのね」
「あの時のドイツってヒトラーが出ないと」
その時はというのだ。
「あのままね」
「碌でもないままだったのね」
「そうよ、ヒトラーは第二次世界大戦を起こしたけれど」
それでもというのだ。
「その時のドイツを救ったことはね」
「事実なのね」
「そうよ、物々交換だとね」
そうした経済状況になればというのだ。
「大変よ」
「だからお金は必要で」
「価値がないと困るのよ」
「そういうことね」
「戦争なんか起こっても」
この場合もというのだ。
「経済滅茶苦茶になるしね」
「二次大戦の時とか」
「戦争もなかったらいいわね」
「終わった後のこともあるしね」
「その神戸ね」
「大阪もだったし」
「警察じゃなくてヤクザ屋さんが自警団やる様なら」
その終戦直後の日本の様にだ。
「もうかなりね」
「危ないわね」
「そうよ、夜道なんか絶対に歩けないわよ」
年頃の女の子が一人ではというのだ。
「ヤクザ屋さんはヤクザ屋さんだから」
「自警団でも」
「そうよ、あと自警団からね」
この組織からというのだ。
「マフィアになってるのよ」
「そうなの?」
「これイタリアの子から聞いたけれど」
まさにマフィアの国である。
「シチリアがマフィア、ナポリがカモラでね」
「それ私も聞いたことがあるわ」
「呼び名は違ってもね」
「やってることは同じね」
「自警団とか仕事の斡旋とか密輸とかやってた人が」
そうした者達がというのだ。
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