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イベリス
第八十一話 教師の質その十二

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「本当にね、それに好きな人もおられるみたいだし」
「そうなのか」
「そうみたいよ」
「咲は別に気にならないんだな」
「物凄く優しくて丁寧な人で」 
 咲は父にまずは速水の人格から話した。
「背が高くてすらりとしててミステリアスな感じの美形の人だけれど」
「それでもか」
「他に好きな人もおられるみたいで」
 またこのことを話した。
「それにイケメン過ぎて」
「それでか」
「私が一緒にいてもね」
 そうしてもというのだ。
「とても釣り合わないわよ」
「そう思うか」
「年齢も離れてるしね」
「二十代後半だったな、あの人」
「ええ、ただね」
 咲は考える顔のままさらに話した。
「お歳の割には随分とね」
「何かとあったか」
「人生経験凄いみたいよ」
「そうだな、お父さんもそれは感じた」
 父もというのだ。
「あの人はまだ若いがな」
「人生経験豊富よね」
「そうだな」
 実際にというのだ。
「普通の同じ年代の人達より遥かにな」
「人生経験おありね」
「そう思う、ただ謎が多い感じもな」
「するわね」
「ああ、不思議な人だな」
「私好きなタイプの人は真面目で穏やかな」
「普通の人か」
「私の趣味を理解してくれて」
 読書やゲームをというのだ。
「暴力を振るわないで特に拘束しないならね」
「いいか」
「それならね」
「特に五月蠅くないんだな」
「浮気をしないでね、あとギャンブルしなかったら」
 それならというのだ。
「いいわ」
「まあ普通の人だな」
「ジェームス=ボンドさんみたいな人とお付き合い出来たら面白いけれど」
 それでもというのだ。
「無茶苦茶大変でしょ」
「何時どうなるかわからないな」
 父もジェームス=ボンドが交際相手ならと即座に答えた、あの様な人間と交際するとどうなるかというのだ。
「死ぬことだってな」
「あるわね」
「小説や映画でもしょっちゅう死にかけてるな」
「いつもそれを乗り越えてるけれどね」
「しかも浮気ばかりしてな」
「貯金もしないわね」
 これは何時死ぬかわからないと自分でわかっているからだ、だから貯金はしないですぐに使ってしまうのだ。
「普通の生活してないわね」
「こうしてな」
「そんな人と一緒だったら」
「本当にどうなるかわからないぞ」
「そうでしょ、だからね」
「普通の人とか」
「普通にお付き合いして」
 そうしてというのだ。
「趣味満喫して普通に家庭持って」
「普通にか」
「暮らしていきたいわ」
「それがいいな」
 父はそれならとだ、娘に賛同して応えた。
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