第五十一話 暴力の代償その十一
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「幸せね」
「成海っちと一緒にいられて」
「そうよ、あんた最近男の子とお話してるでしょ」
「知ってるの」
「お部屋でそうしてるわね、時々」
「合コンで知り合ってね」
「そうなのね」
「付き合って駄目とか?」
「悪い子じゃなかったらいいわ」
笑顔でだ、母は娘に答えた。
「さっきから言ってるけれど」
「暴力を振るう様な人じゃなかったら」
「いいわ」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「その子はちゃんと見極めてね」
「お付き合いすることね」
「そうよ、殴られたり蹴られたりは」
そうした暴力を受けることはというのだ。
「問題外よ。お母さんもあんたが暴力受けたら嫌よ」
「親だから?」
「そうよ、自分の子供が理不尽な暴力を受けてもいいなんていう親は」
それこそというのだ。
「親失格よ」
「それだけで?」
「そう、それだけでよ」
まさにというのだ。
「最低よ」
「親として」
「人間としてね」
「子供が暴力受けない様にしないと駄目なのね」
「そうよ、暴力を認めることは駄目だし」
それにと言うのだった。
「子供は守ることがね」
「親の務めね」
「だからよ」
そうした考えだからだというのだ。
「お母さんはそう言うわ」
「子供が暴力を受けてもいいとか言うなんて」
「親の言うことじゃないわ」
「じゃあ私も」
「暴力は否定してね」
「暴力を振るう人には近寄らない」
「そうよ」
それはというのだ。
「子供はそれから守ってね」
「そうすることも親なのね」
「学校の先生なんて多いけれどね」
その暴力を振るう教師がだ。
「そんな先生がいるって聞いたら」
「断固なのね」
「戦うことよ、自分の子供も暴力受けるし」
「他の子供達もなのね」
「そうよ、しかも学校は悪事を隠すところが多いから」
教師の行うそれはだ、閉鎖された世界では悪事をその中に覆い隠すことを為しやすいが学校もそうした世界なのだ。
「それがあるってわかったらよ」
「暴力が」
「その時はマスコミに言うなりネットで言うなりするのよ」
「警察とか?」
「そうよ、学校行ってもね」
「それが一番妥当かっていうと」
「学校は隠すからね」
今言った通りにというのだ。
「先生が暴力振るって生徒に怪我させてもね」
「だからよね」
「そうよ、そちらには言わないことよ」
「何もしてくれないから」
「普通の会社で人を床の上で背負い投げとかしたらその場で逮捕よ」
そうなるというのだ。
「傷害罪、暴行罪よ」
「ガチの犯罪ね」
「誰が見てもそうなるからよ」
母はここでだった。
娘にビールをそっと出してあらためて話した。
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